(2010年7月13日 読売新聞)
コレステロール値が高く、高脂血症と診断された人の方が、
そうでない人よりも脳卒中の死亡率が低く、症状も軽くなるという
調査結果を、東海大の大櫛陽一教授(医療統計学)らがまとめた。
一般には、高脂血症は動脈硬化を引き起こすため、
危険と考えられており、今後、議論が高まりそう。
大櫛教授らは、動脈硬化が一因とされる脳卒中
(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血)で入院した患者計1万6850人を
対象に、高脂血症の有無と死亡率、症状の強さを比較。
その結果、脳梗塞で入院した患者のうち、高脂血症でない
9851人が入院中に死亡した割合は約5・5%、
高脂血症の2311人の死亡率は約2・4%。
脳内出血や、くも膜下出血でも、高脂血症があると、
死亡率は半分から3分の1。
脳卒中で入院した患者と患者でない人を比較した調査では、
患者のほうが高脂血症の割合が低かった。
悪玉とされるLDLコレステロール値が高いほど、
総死亡率が低くなるとのデータもあり、
日本脂質栄養学会は今年9月、「LDLコレステロール値が
高い方が長寿に結びつく」との内容の指針を発表する方針。
日本動脈硬化学会理事の横山信治・名古屋市立大教授は、
「LDLコレステロールの危険性について、
国内外の信頼性の高い研究が多数ある」
国立健康・栄養研究所の宮地元彦プロジェクトリーダー(運動生理学)
は、「健康診断のコレステロール基準値は、現時点である程度の
合意が得られているので目安になる。
一方、基準よりコレステロールが高いほうが、
がんになりにくいとする研究もある。
基準値だけにこだわるのではなく、食事や運動など
生活習慣の改善に取り組むことが大切」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/7/13/122777/
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