2010年7月23日金曜日

Gタンパク阻害を解明 がん治療薬開発も

(2010年7月13日 共同通信社)

生命の維持機能を調節する体内の「Gタンパク質」の働きを、
特定の化合物が阻害する仕組みを、
奈良先端科学技術大学院大とアステラス製薬のチームが突き止め、
12日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表。

Gタンパクは細胞にあり、光やにおい、ホルモンの感知や、
筋肉、心臓の動作などの機能に関与。

過剰になるなどの異常があると、がんや心筋梗塞につながり、
奈良先端大の伊東広教授は、
「働きを邪魔すれば、治療薬の開発が可能」

細胞では、表面で分子レベルの信号を受け取ると、
Gタンパクが"開いた"構造に変化。
GDPという物質を放出し活発に働きだし、
血管収縮や神経系の興奮も起きる。

チームは、土壌細菌が作り、血液の凝固を防ぐ化合物が
Gタンパクを阻害するのに注目。

大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県)で構造を調べた結果、
化合物がGタンパクのくぼみに入り込み、
開いた構造になるのを妨げていた。

Gタンパクは人で約20種あり、くぼみの形が異なる。
各くぼみに合う化合物を作れば、さまざまな病気の薬を
開発できる可能性がある。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/7/13/122774/

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