2008年5月30日金曜日

廃発泡スチロール+古い油+野菜くず=燃料・肥料 実証実験進む

(東京新聞 2008年5月13日)

使用済み発泡スチロールから燃料をつくって、
ディーゼル発電機を動かし、その電気と廃熱を利用して
野菜くずから乾燥野菜を生産。

廃棄物処理、燃料生成、肥料製造の三つを同時に行う
システムの実証実験が、神奈川県秦野市で進められている。
原油価格が高騰するなか、廃棄物から燃料と肥料をつくる
システムは注目を集めそう。

使用済み発泡スチロールは燃えにくく、輸送にもかさばるやっかいもの。
年間約17万トンが回収され、45%がカセットテープやボールペンなどの
プラスチック材料に、29%が燃やして発電に利用。
残り26%は、埋め立て処分や単なる焼却処分。

これをもっと有効に利用できないかと考えたのが、
油化装置などを製造するティラド(東京都渋谷区)と、
生ごみ乾燥機など製造のサンライフ(神奈川県秦野市)。

発泡スチロールを破砕し、高温加熱してスチレン油に油化。
回収したスチレン油27%は、油化装置のバーナーの燃料として再利用。
スチレン油に使用済みてんぷら油を混ぜると、
ディーゼル発電機の燃料になる。
油化装置と野菜くずの乾燥機は、ディーゼル発電機で動かす。

発泡スチロールと野菜くず、てんぷら油から、
スチロール油と乾燥野菜ができる。
スチロール油は、ボイラーなどの燃料に使える。
茶葉のようになった乾燥野菜は、花壇や菜園の肥料として使う。

稼働中のシステムは、一日80キロの発泡スチロールを処理し、
52キロのスチレン油を製造。
発泡スチロールを単純に焼却処分する場合と比べ、
二酸化炭素(CO2)を年間100トン削減。

サンライフの宇野秀敏代表は、「不要な発泡スチロールとてんぷら油、
野菜くずが大量に出る大型スーパーなどで使ってほしい」。

スチレン油にてんぷら油を混ぜてディーゼル燃料とすることについて、
ティラドの古川秀雄EPS事業化プロジェクト室長は
「スチレン油は、ディーゼル燃料用としては、
粘度(粘り気)とセタン価(着火性)が低すぎる。
てんぷら油は、セタン価は十分だが、粘度が高すぎる。
両方を混合すると、ちょうど欠点を補い合ってくれる」。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/technology/science/CK2008051302010888.html

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