2008年5月30日金曜日

アルツハイマー病発症原因の一つを特定か

(朝日 2008年05月19日)

アルツハイマー病を引き起こすたんぱく質・ベータアミロイドを
脳に蓄積する作用があるホモシステイン酸が、
それ自体も発症の原因物質となっている可能性が高いことが、
佐賀女子短大の長谷川亨教授と九州大の共同研究でわかった。

ホモシステイン酸を脳内から減らすと、記憶力が回復することを、
発症しやすく遺伝子操作したマウスで実証。

ホモシステイン酸は、アミノ酸ホモシステインの酸化物。
その働きを抑える抗体を脳に注入したマウスは、
迷路をたどってゴールさせる実験の成績が、
抗体のないマウスより優れていた。
脳を比較しても、記憶をつかさどる海馬が大きかった。

(1)ベータアミロイドあり・ホモシステイン酸なし、
(2)ホモシステイン酸あり・ベータアミロイドなし、の2群に分けて比べると、
(2)の方が大きな記憶障害があった。

長谷川教授は、「ホモシステイン酸も、ベータアミロイドに劣らない
原因物質であることが証明できた。いかに減らすかが治療のカギ」。

05年、ホモシステイン酸の作用でベータアミロイドが
脳の神経細胞に蓄積されると細胞死に至ることを、
米国立衛生研究所などの研究者と共同で発見。
アルツハイマー病を発症する遺伝子を組み込んだマウスで実験。

http://www.asahi.com/science/update/0519/SEB200805180015.html

0 件のコメント: