2008年5月27日火曜日

教師と生徒のゴミ拾い活動、環境浄化運動に アルゼンチン

(CNN 5月18日)

南米アルゼンチン北部のフフイ州で、ひとりの教師が
約10年前に始めた地域のゴミ拾い活動が、
若者が主導する州の環境浄化運動に結びついた。

運動を始めたカルメン・サルバさん(49)は、
「生まれ育った土地の手入れをすることに、早すぎることはない」と、
教育と地道な活動の必要性を訴えている。

フフイ州は、北側にボリビア国境、西側にチリ国境を接した
アンデス山脈にあり、美しい山並みと豊かな文化で知られる。
教師となって20年のサルバさんが、
10年前に学校の近所にある公園が、ゴミだらけなことに気付いた。
ビールの空き瓶やペットボトルが散乱する惨状をなんとかしようと、
サルバさんは生徒らに声をかけ、ゴミ拾い活動を開始。

しかし、1年がたつころには、活動を続けていくのが難しくなった。
集めたゴミを、リサイクルする仕組みが市にないうえ、
ゴミ問題やリサイクル活動が、生活にどれだけ重要であるかが、
知られていなかった。
サルバさんは1997年に、生活の希望という意味の団体
「エスペランサ・デ・ビーダ」を設立
若者を中心とした、環境問題を伝える運動を始めた。
当初は、生活圏のゴミ拾い運動のみだったが、
次第に山々の環境にも活動対象が広がり、
現在では毎週土曜に、子供80人を含む150人のボランティアが
近郊の山々に登山し、ゴミを拾い集めている。
地道な活動が実り、州政府もゴミのリサイクルセンターを設立。
ボランティアが拾い集め、分別したゴミをリサイクル出来るようになった。
サルバさんは、「活動を通じて、水質汚染問題やゴミ問題など、
身近な生活の問題に多くの人々が気付くようになった。
特に、今活動している若者は、将来の世代を教える立場にある
若者に対する教育の重要性を訴えている。
ボランティアに参加した子供たちが、家族に環境問題の重要性を訴えるなど、
活動の輪が確実に広がっており、
サルバさんは、「新しい世代が、環境を尊重するようになって良かった」。

0 件のコメント: