2008年10月21日火曜日

日本の大学が国際評価で見劣りするのは

(サイエンスポータル 2008年10月14日)

英国のザ・タイムズ紙系列の専門誌
「ザ・タイムズ・ハイヤー・エデュケーション・サプリメント」が発表した、
ことしの「世界のトップ200大学」に、
東京大学など日本の10大学が入っている。

日本の大学を上位から並べると(かっこ内が世界の順位)、
1位が東京大学(19)、2位京都大学(25)、3位大阪大学(44)、
4位東京工業大学(61)、5位東北大学(112)、
6位(120)名古屋大学、7位(158)九州大学、8位(174)北海道大学、
9位(180)早稲田大学、10位(199)神戸大学の順。

昨年の世界ランクと比較すると、順位が変わらない、下がった大学が大半で、
ランクを上げたのは、90位から61位まで上昇した東京工業大学と、
46位から44位に上がった大阪大学だけ。

トップ10にランクされたのは、1位から順にハーバード大学、イェール大学、
ケンブリッジ大学、オックスフォード大学、カリフォルニア工科大学、
インペリアル・カレッジ・ロンドン、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、
シカゴ大学、マサチューセッツ工科大学、コロンビア大学で、
米、英両国の大学で占められている。

日本の大学は、国際的に見て何が劣っているのだろうか?
最も目立つのは、外国人スタッフの数。
もっともよい大学を100とした場合、東京大学が27、京都大学が30、
大阪大学が25、東京工業大学が25、東北大学が38。
世界のトップ5、ハーバード大学、イェール大学、ケンブリッジ大学、
オックスフォード大学、カリフォルニア工科大学の数値が、
87、89、98、96、100であるのと比べ、どうしようもない差。

次に数値が低いのは、外国人学生の数。
世界のトップ5大学が81、71、95、96、93に対し、
日本の上位5大学は40、26、28、45、31。

スタッフ当たりのサイテーション(論文被引用率)指数では、
日本の上位5大学が、78、91、70、87、63、
世界のトップ5大学(100、98、89、85、100)に対して、まずまず健闘。

「Peer Review」(同分野の専門家による評価)でも、
日本の上位5大学が、100、99、90、77、63と世界のトップ級ないし
そこそこのレベルにあり、足を引っぱっている要因が何かは明らか。

大学に対するこの種の評価に対しては、
「客観性を重んじているというものの、一面しかとらえていない。
主要な評価になるのは疑問」(ノーベル物理学賞受賞、
小林誠・高エネルギー加速器研究機構名誉教授)といった声も聞かれるが。

「ザ・タイムズ・ハイヤー・エデュケーション・サプリメント」の世界大学ランキング
http://www.timeshighereducation.co.uk/hybrid.asp?typeCode=243&pubCode=1

http://www.scienceportal.jp/news/review/0810/0810141.html

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