2008年10月23日木曜日

東北の生産拠点目指す トヨタ系・関東シート製作所

(岩手日報 10月17日)

トヨタの自動車内装部品メーカー・関東シート製作所
(北上市、資本金3億3200万円、柴田和民社長、従業員554人)は、
トヨタが東北を国内第3の生産拠点に位置付けたことを受け、
事業拡充を進めている。

主要取引先は、金ケ崎町に岩手工場を置く関東自動車工業(横須賀市)と
セントラル自動車(相模原市)だが、
2010年のセントラル自動車の宮城県移転、稼働に伴い戦略を強化。
プラスチック射出成形による内装部品を重点化し、東北の生産拠点を目指す。

同社は、主力の北上工場(従業員308人)が、
ドア内部のトリム(内張り)やシート内部の樹脂、ウレタンなどを生産。
プラスチック射出成形機を5台保有し、ピラー、インパネなど
自動車内装の部品生産の増強を図っている。

同社の本社敷地内には、完全出資子会社の関東シート北上
(北上市、資本金3000万円、柴田社長、従業員160人)
シート縫製工場もあったが、セントラル自動車の宮城移転を見据え、
奥州市江刺区のトヨタ紡織敷地内に移設。
8月から江刺工場(102人)として本格稼働。

縫製前のシートの裁断は、関東シート北上・仙人作業所
(北上市、従業員22人)が担当。
これらのシート部品を、関自岩手工場敷地内にある
関東シート製作所金ケ崎工場(146人)が完成品に仕上げる。

裾野市の関自東富士工場、相模原市のセントラル自動車向けは、
関東シート製作所相模原工場(100人)、関東シート北上・御殿場工場
(御殿場市、36人)が生産供給。

関東シート製作所は、トヨタの内装部品メーカー大手の
トヨタ紡織(刈谷市)の関連会社。
柴田社長は、「セントラルが宮城に移転すれば、(関東シート製作所の)
相模原工場は撤退し、宮城のセントラルに特化することになる」

世界経済低迷に伴い、自動車業界は厳しい環境にあるが、
柴田社長は、「(業況の)上がり下がりは世の常。
多少下振れするかもしれないが、東北はチャンスであり、
今は将来に向け会社の足腰を鍛える」と意気込む。

◆関東シート製作所とは

57年横浜市に設立。関東自動車工業東富士工場(裾野市)、
セントラル自動車(相模原市)に、シートなど自動車内装部品を生産供給。
93年、東北初の完成車組立工場の関自岩手工場操業に伴い、
北上工場(北上市)を設置、02年に本社を北上市に移転。

生産台数(1台=8部品)は、北上市に本社を移転した02年から
右肩上がり成長を続け、07年度は47万台(前年度比14%増)。
関自向けは34万台(同19%増)、セントラル自動車向け12万台(同1%増)。
07年度売上高269億円。

http://www.iwate-np.co.jp/economy/e200810/e0810171.html

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