2009年1月20日火曜日

座禅でリセット 「月曜が憂うつ」と言う前に

(日経 12月2日)

激務などで心の病にかかる人が増えている。
あまりの忙しさに、「週末に休んだ気がしない」、「月曜日が憂うつだ」
手軽なリフレッシュ方法として、「座禅」に注目。

東京都文京区にある禅寺、是照院では、
毎週土曜日の夕方に座禅会が開かれる。
約20人の参加者の年代は20—50代と幅広い。
自営業の40代の女性は、「座禅で1週間の疲れをリセットできる」
官庁に勤務する30代男性は、「仕事とは無関係の静かな環境に身を置いて、
心身を落ち着かせる時間が必要と考えた」

是照院が座禅会を始めたのは3年前。
住職(45)は、「寺院でも、住職の世代交代が進んでいる。
お寺を一般の人にも開放して社会に貢献しようとする意識が高まり、
座禅会を開く寺が増えている」

住職によると、景況感が急速に悪化していることもあり、
「心の軸足を、どこに置いたらよいのかわからない」との不安を持つ
ビジネスパーソンの姿が目立つ。
座禅は、何らかの目的を持って行うものではないが、
「心を安定させる効用はある」と住職は強調する。

毎週金曜日夕方に座禅会を開いている成願寺(東京・中野区)の僧侶、
伊原玄遊さん(37)は、「座禅は苦行ではない。
体を楽にして、心を落ち着かせることが1番大切」
近くに禅寺はなくても、自宅で座禅を組むことはできる。

仏教の宗派で座禅が修行に組み込まれているのは、臨済宗や黄檗宗など。
宗派によって座る向きは違うが、座り方に大きな差異はない。
お寺では座禅専用の「座蒲(ふ)」を使うが、座布団でも構わない。
座布団を一枚敷き、その上に別の座布団を半分に折り畳んで置く。
一定の高さに、腰を浮かせるためのクッションの役割。
背骨の先が座布団の中央に位置するように座り、背筋を伸ばす。

顔は左右に傾けず、正面を向くように。
耳から下に降りていく線が肩と垂直に交わるように意識し、
地面から上に垂直に伸びていく線の上に、鼻とへそを乗せる感覚を保つのが
姿勢を正しくするコツ。
上半身を左右に揺らし、徐々に揺れを小さくして最後に真っすぐに落ち着かせる。

足の組み方は2通り。
1つは右足を左足の付け根の上に乗せ、左足を右足の付け根の上に乗せる方法。
もう1つは右足を左足の付け根の下に入れて、
左足だけを右足の付け根の上に乗せるやり方。
初心者には、2番目の片足だけを乗せる組み方がお薦め。

両手はへその前に据えて、右の手のひらを上向きに。
その上に、左の手のひらを上向きにして置く。
両手の親指の先を軽く合わせる。
目は自然に開き、視点を約1メートル前方に置く。
目を閉じると瞑想になるので、目は開ける。

最後に呼吸法だ。
へそに力を入れて「吸う、吸う、吐く」のサイクルを、腹式呼吸で繰り返す。
テンポは「長めにゆっくり」を心掛ける。
1回の座禅の時間は約35分。線香が1本燃え尽きる時間。
通常の座禅会ではこれを3度繰り返す。

成願寺の僧侶、伊原さんによると、「朝の出勤前に座禅を組む人も増えている」。
昼休みにいすに座り、腹式呼吸で心を落ち着かせるだけでも
リフレッシュ効果がある。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz081202.html

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