2009年3月10日火曜日

新しい波/294 市民マラソン熱/2

(毎日 2月28日)

ジムで走り始めて1年余りの大手電機メーカー勤務、高橋裕輔さん(37)は
昨秋から週に2度、退社後に皇居外周などで行われる
ランニング教室に参加する。
主催は、「セカンドウィンド・アスリートクラブ」。
実業団女子の資生堂を率いた川越学監督(46)が退社後、
07年4月に設立したクラブチーム。

昨年の東京国際女子2位の加納由理、北京五輪6位のマーラ・ヤマウチら
トップ選手をはじめ、サポーターも含めて約600人がチームに所属。
約300人が、選手やスタッフから指導を受ける。
フルマラソン3時間半以内の上級者から初心者まで、
4段階に分けて設定された教室には、毎回約50人が集まる。

川越監督は、90年代後半以降の相次ぐ企業スポーツ部の休廃部で、
仲間が走る場を失っていく様子に危機感。
「景気や業績に左右されない道はないものか」と思案した末、
欧州のサッカークラブの運営も参考に、クラブ発足に踏み切った。
大きなスポンサーを持たず、トップからビギナーまで幅広く網羅する
運営形式は国内で異例。

クラブで指導を受けるには、サポーター(年会費8400円)に入会した上で、
教室参加費(月額6300円)が必要。
運営費とトップ選手の強化費を賄う。
川越監督は、「市民と接点を持つと、誰の指導も受けずに
走っている方が多いのに驚いた。ノウハウを持っている立場として、
役割を果たしていける」と確信。

ランニングブームの追い風を受けて、教室参加者は右肩上がり。
川越監督は、「トップ選手を効率よく強化し、世代交代を図っていくかが難しい。
安定してサポーターを確保するためにも、シンボルである選手の強化に
ウエートを持っていきたい」

最近、高橋さんは初心者ランナーから一つレベルを上げた。
トップ選手から指導を受けられる機会なんて、通常はありえない。
こんな組織が別にも生まれていけば、日本のランニングの底辺も広がっていく」
目標は、今年中のハーフマラソン完走だ。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20090228ddm035050100000c.html

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