2009年3月11日水曜日

シャープの「第2世代薄膜太陽電池モジュール」

(日経 2月18日)

日経優秀製品・サービス賞 2008優秀賞
◇シャープの「第2世代薄膜太陽電池モジュール」

優秀賞のシャープの第2世代薄膜太陽電池モジュールは、
太陽光を電力に変える変換効率がモジュールベースで業界トップクラス。
海外で増えている大規模な太陽光発電施設向けの戦略商品。

第2世代薄膜太陽電池モジュールでは、
縦横1メートル×1.4メートルのガラス基板を採用。
2005年、量産を始めた第1世代薄膜太陽電池モジュールに比べ、
基板面積は2.7倍に拡大、生産コストを引き下げられる。
変換効率は、モジュールベースで9%と薄膜太陽電池では業界トップクラスで、
1枚のモジュールで128ワットの高出力を実現。

ガラス基板の上に厚さ2マイクロメートルのシリコンの薄膜を形成、
シリコンをおよそ200マイクロメートルの厚さにスライスして作る
結晶型太陽電池に比べ、シリコン使用量が100分の1で済む。
材料節約と基板の大型化で、生産コストを引き下げる。

薄膜太陽電池の性能は、シリコン膜を形成するプラズマCVD
(化学的気相成長法)装置によって決まる。
シャープは装置を自社開発し、その装置の中で技術革新。

今回は、大面積のガラス基板に高品質な膜を「高スループット」、
均質な膜を短い時間で形成できる技術を確立して、
太陽電池としての性能を高められるように工夫。
今後は、膜を多層化することで変換効率を引き上げていく。

現在は、アモルファス(非結晶)シリコンと微結晶シリコンの薄膜を重ねる
「タンデム」構造。
10年3月までに稼働させる堺市の新工場では、
アモルファス2層と微結晶1層の「トリプル」構造に切り替え、
変換効率も10%に高める予定。

薄膜型太陽電池は、結晶型に比べ大きさがかさばるデメリットがあるが、
住宅の屋根ではなく平地に設置する大規模な太陽光発電施設に適している。
技術を進化させ、「メガソーラー」時代を切り開いていきたい。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/award2008/awa090219.html

0 件のコメント: