(2009年3月9日 毎日新聞社)
さまざまな種類の細胞に分化できるヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)
から、止血作用がある血小板の作成に、
東京大の中内啓光教授(幹細胞生物学)らが世界で初めて成功。
血小板は、手術の止血のほか、血が止まりにくい出血性の病気の治療に
不可欠だが、長期保存できない弱点。
実用化すれば、献血に頼らず、血小板を安定供給する道が開ける。
日本再生医療学会で発表。
中内教授らは、山中伸弥・京都大教授が開発した方法で作った
ヒトiPS細胞と、骨髄中の細胞を培養。
複数のたんぱく質を加え、血小板のもとになる細胞「巨核球」に分化。
巨核球から、形状や機能が通常と同じ血小板ができるのを確認。
iPS細胞は、皮膚など体細胞に特定の遺伝子を入れて作るのが一般的だが、
遺伝子の副作用でがん化の危険。
血小板は、遺伝子が存在する核がなく、その影響を受けない。
血小板異常の患者のiPS細胞を作り、遺伝子治療をしてから血小板を作り、
移植するという治療法も現実的に。
血小板は冷蔵保存できず、通常4日ほどで廃棄される。
中内教授は、「赤血球など他の血液成分を作成できる可能性もあり、
献血不要の社会を実現したい」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/3/9/93250/
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