(毎日 11月10日)
毎日新聞社の植樹キャンペーンを指導する
宮脇昭・横浜国大名誉教授(植物生態学)の植樹方法に、
林野庁は森づくりの手法の一つとして導入。
来年6月、秋田県鹿角市の国有林で、宮脇方式による市民参加の
植樹を始め、生態系を保全する多様性重視の森づくりを展開。
宮脇方式の植樹方法は、市民の参加を募り、
土地本来のさまざまな樹種を混ぜ合わせ、密植するのが特徴。
樹木の競り合い効果で、通常よりも早期に森が形成。
宮脇氏は、地盤を根で押さえ生態系もはぐくむ
「防災環境保全林」づくりを呼びかけ。
林業衰退などを背景に、林野庁は、木材生産から崩落防止や
水源かん養など、森林の公益的機能重視に方針を転換。
宮脇氏が指導した植樹地を複数個所視察し、
今年6月、呉市の国有林で全国の森林管理局職員を対象に
モデル植樹を実施。
森づくりの成功例を踏まえ、今後は、
(1)災害跡地など、早期の森林再生が求められる傾斜地、
(2)国民に森づくりの重要性を広める目的から、
市民参加による植樹祭に適している平たん地
で、宮脇方式も採用。
来年6月の植樹祭は、鹿角市の熊沢国有林で開催。
ブナ林だった斜面で97年5月、大規模地滑りが発生、
当時の澄川温泉の旅館が流された。
復旧工事で、6ヘクタールの平たん地を囲む斜面を含め、
計7ヘクタールの植樹可能な場所が生まれた。
来年は、平たん地の3ヘクタールで植樹祭を実施。
数年かけて植栽し、ブナ林をよみがえらせる。
昨年、宮脇氏の講演会に出席した農水省の舟山康江政務官は、
「国有林内で郷土樹種を用いた市民参加による植樹は、
国民財産の森林を守り育てる意識を(参加者に)共有する
いい機会で、自然や環境、農林水産業にも目を向けてもらう」
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/11/10/20091110ddm012040163000c.html
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