(読売 11月21日)
総合学科高校で学んだ卒業生たちが、社会で活動を始めている。
東京湾が一望できる東京・港区の高層マンション。
その一室が、「女子大生社長」のオフィス。
バッグなどの革製品を手がける「グラネス」社長の
伊藤妃実子さん(22)は、慶応大学環境情報学部の4年生。
2年前に会社を設立、デザイナー兼社長として、
オフィスで製品のデザインや顧客との打ち合わせ。
建築関係の会社を経営していた祖父の影響で、
漠然と建築家になりたいという目標。
勉強とデザインの両方を学べる学校を考えた結果、
総合学科の都立晴海総合高校に。
初めは学力面で不安を感じたが、
「必要な科目を深く学ぶことができた」
同じデザインでも建築家と違い、女性らしい視点を生かせる
革製品の仕事を選んだ。
社長として、商品づくりで下町の頑固な職人と仕事するが、
高校で学んだことが生きている。
普通の高校と比べ、総合学科高校では人前で発表する
機会が多く、「人に伝えたり、表現したりする力がつく。
職人さんとうち解けることができるのはそのおかげ」
大学では、100年を超える老舗企業の研究などをし、
来年も大学院で研究を続ける予定。
しばらくは二足のわらじが続くが、学業の成果を生かし、
「長く続く企業にしたい」と意気込む。
大阪市の中尾良志さん(28)は昨年から、
司法書士として債務整理などの仕事に励んでいる。
総合学科の大阪府立今宮高校で学び、卒業後、
選べる仕事が限られた中、鉄道が好きとの理由で鉄道会社に入社。
仕事をしながら行政書士の資格を取り、
通信制の大学で司法書士の資格も取った。
「自分の力でできる仕事に就きたい」
高校時代から、そんな思いを持っていた。
高校では科目選びなどを通じ、
「自分で考えて学ぶことを覚えた」
大学で学んで資格を取ったのは、自分で考えてのこと。
高校で身に着けた力が、司法書士への転身に。
映画などに出演する女優の井上美琴さん(25)も、
総合学科の兵庫県立神戸甲北高校の卒業生。
当時から芸能活動をし、「好きなことを学べ、個性を生かせる」と
思ったのが一つの理由。
仕事と両立しながら、単位を一つも落とさずに卒業。
将来を見据えて科目を選び、「絵画」や「ダンス」などの
美術系の科目を多く取った。
それらは、今の芸能活動に役立っている。
「やりたい事が見つかってできるならいい学校だが、
楽な選択もできる。
今楽なのか、今後自分のために役立つ楽しさなのか、
よく考えて選択してほしい。
そうすれば充実した学校生活が送れる」と井上さん。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20091121-OYT8T00218.htm
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