2009年12月1日火曜日

商船三井客船の萩原社長「クルーズ、日本でもブームの兆し」

(日経 11月19日)

豪華クルーズ客船「にっぽん丸」の大規模改造を決めた
業界大手の商船三井客船
団塊世代の大量退職で、クルーズ市場の拡大が期待、
世界的な景気後退の影響が続く中での“船出”となる。
改造の狙いや今後の需要見通しについて、萩原節泰社長

——改装に至った経緯は?

「日本では、10年後に2人に1人が50歳以上。
成熟社会を生きる元気なアクティブシニアに、
新しいレジャーのあり方を改めて提供したい。
2008年国内のクルーズ旅行者は19万人、前年よりも3%伸びたが、
認知度はまだまだ。
欧州での人気は高く、ドイツでは既にその数が約5倍の90万人、
日本でもブームの兆しが出てきている」

日本が成熟社会を迎える中、クルーズ旅行の成長性は高い。
1990年に誕生した3代目の『にっぽん丸』も、今後の需要増大や
多様な価値観に合わせ、客室や公共施設の改善の必要」

——具体的にどう変わるのか?

「『大人を幸せにする海の上の国』をコンセプトに、リニューアル。
食事や癒やしにはこだわったつもり。
ここ数年、人気のコースを中心に、キャンセル待ちの状態が続き、
随分とご迷惑をかけた。
客室を、184室から202室に18室増加。
乗船可能な客の数も30人増やし、398人とし、乗組員も増やす」

高額でも、良い設備を利用したいとの声が増え、
一部の部屋にバルコニーを設置、客室の内装も一新。
公共スペースでは、飲食施設を充実し、人気のスパや
ウッドデッキなども新設。
船自体を大きくしたので、1人当たりの居住面積は変わっていない。
設備を充実させた部屋の値段は上げたが、
部屋数が1番多いタイプの価格は基本的に据え置いた」

——予約状況は?

「来年3月26日の伊豆諸島周遊クルーズ2泊3日が、
『新生にっぽん丸』のデビュー。
初回は、販売開始時刻から1時間で予約がすべて埋まった。
それ以外のコースも順調に予約をもらっている。
数十億円を投じる今回の改装の決定は、
昨年9月のリーマン・ショックの前。
景気が不透明感を増す中、心配はしたが
予想以上の反響に手応えを感じている」

——どういった客層を狙うか?

10日前後の長期間のクルーズでは、会社をリタイアした
60歳以上が中心、会社を数日休んで行くことができるツアーも
たくさん組んだので、幅広い客層を狙いたい。
食事は1日7回出る。
エンターテインメントやカルチャーを楽しみながら、
寝ているうちに目的地につくというのは、日常生活では
決して味わえないゆったりとした充実感がある。
リピーター率は高く、まずは体験してもらえれば、
良さがわかってもらえる」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int091118.html

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