2009年12月10日木曜日

縮減の波紋:/下 強化策、政権と距離感 社会への還元、課題に

(毎日 12月6日)

民主党政権下で、選手強化事業費約27億円が縮減される
可能性が出てきたJOCが駆け込んだのは、自民党本部。

同党の文部科学部会には、JOC幹部と
88年ソウル五輪男子レスリング金メダルの
佐藤満・日本レスリング協会男子強化委員長が出席。

佐藤氏は、「レスリングで2番でもいいと考えていたら、
五輪にさえ出られない。
世界には金メダルを取りたい人間がたくさんいる」と
激しい口調で訴えた。

政府の行政刷新会議の事業仕分けで、
蓮舫参院議員(民主)が、文部科学省所管の
スーパーコンピューターの開発予算に関連して、
「世界一になる理由は何ですか。2位じゃダメなんでしょうか」
と迫ったことを意識しての発言。

自民党側は麻生太郎、森喜朗といった歴代首相が
部会に顔をそろえ、スポーツ予算の確保、拡充を求める
決議を採択し、JOCを援護射撃。

JOCの元幹部は、「JOCは、自民党に予算確保で世話になる
代わりに、参院比例代表に集票力のある五輪メダリストを
送り込んできた」と打ち明ける。

民主党政権批判は、政争に巻き込まれる危険もはらむが、
スポーツ界はそこまで切羽詰まっている。

民主党とは、「インパクトのあるパイプがない」
(市原則之JOC専務理事)のが現状。

民主党は、「政策集INDEX2009」で、
地域密着型の拠点づくりや地域スポーツリーダーの育成など
底辺の充実を打ち出し、
「トップを目指した指導者がいるからこそ底辺が広がる」
(福田富昭JOC副会長)と、トップレベルの強化優先を訴える
JOCとは根本理念でも距離感。

五輪メダリストらの共同会見で、08年北京五輪男子
フェンシング銀メダリストの太田雄貴(森永製菓)が、
示唆に富む発言。

国民の税金で、競技をやらせてもらっていることを認識し、
感謝の気持ちを持ちたい。
競技だけやっていればいいというのでなく、
一人間、一社会人としての責務がある」

スポーツ予算の恩恵を授かったトップアスリートが、
社会に何を還元していくか?
その筋道を、競技団体と選手が一体となって考える時代。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2009/12/06/20091206ddm035050148000c.html

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