(2009年12月4日 毎日新聞社)
皮膚表面で温度を感知するたんぱく質が、
肌の乾燥に深くかかわっていることが、
自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンターと
ポーラ化成工業の研究で分かった。
冬の肌荒れの原因は、空気の乾燥だけでなく、
気温低下にもあることを示す結果で、
日本研究皮膚科学会で発表。
このたんぱく質「TRPV4」は、体内のさまざまな場所にあり、
温度や筋肉の緊張などの刺激を感知する働きがある。
ポーラ化成の木田尚子研究員(皮膚科学)らは、
TRPV4が温度によって活性を変えることに着目。
皮膚でどんな働きをしているかを調べた。
TRPV4が不活発になるセ氏24度で、人の表皮細胞を培養すると、
適温の室内での皮膚温度(33度)で培養した場合と比べ、
細胞同士の接着が緩み、すき間から水分などの物質が
通り抜けやすくなった。
TRPV4を活性化する試薬を加えたところ、物質の透過が抑制。
低温が、TRPV4の活性化を妨げることで、
皮膚のバリアー機能が低下し、
水分が失われて肌の乾燥が進むと推測。
木田さんは、「入浴で肌が潤うことは経験的に知られているが、
これには湿度だけでなく、温度も関係していることが
細胞レベルで分かった。
温めることによって、肌荒れを改善するなど
新しい方法につながるかもしれない」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/4/112565/
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