(毎日 12月7日)
リースや投融資、不動産など事業の多角化を進めるオリックス。
環境面でも、廃棄物の処理・リサイクルや自然エネルギー発電など
多様な展開をし、新規ビジネスの開拓にも意欲的。
梁瀬行雄社長に、これまでの取り組みや環境への思いを聞いた。
--環境ビジネスに取り組んだきっかけは?
◆オリックスは、日本で初めてリース業を始めたが、
リース期間が終わった物品の処理が課題。
90年代、産業廃棄物やリサイクルへの関心が高まる中、
廃棄物の分別回収、焼却、再資源化のシステムを作った。
他社からも廃棄物を受け入れて、手数料収入を得るビジネスに
仕上げ、自社で廃棄物処分場も建設。
原油価格高騰や地球温暖化がテーマになると、
融資先企業などへの省エネ施設の提案などを進めている。
リースは、物を「所有して捨てる」のではなく、
「長く効率的に使う」という環境にフレンドリーな発想。
環境対応は、オリックスのDNAとして染みついている。
--社長自身の環境問題への危機意識も強い。
◆07年、ゴア元米副大統領の映画「不都合な真実」を見て、
温暖化問題は待ったなしだと大きな衝撃。
社内有志にゴア氏の著作も配布し、部長級会議では
必ず環境をテーマにすることをルール付けて、参加意識を醸成。
昨年9月、新規の環境ビジネスの創造に携わる
横断的な組織を設置し、「気候保護責任者」を意味する
“CPO”も設置。
環境活動に熱心な地方自治体との連携も進めている。
企業なので、目に見える成果を毎年出すことが鉄則で、
来年度からは利益に貢献させたい。
--将来の目指す姿は?
◆オリックスは、60万台以上の自動車をリース、レンタル、
マンション事業では傘下の大京も合わせて、販売戸数はトップ。
ハイブリッド車や電気自動車の普及、建物の省エネ化を
促進することができる。
事業を中心に、環境によい製品や技術を消費者・顧客に提供する
環境サービス業「エコサービスインテグレーター」を確立したい。
--産業界はCO2削減などへの取り組みが消極的とも。
◆国際競争上不利益を被ることが問題なのであって、
地球がこれ以上環境負荷に耐えられないという認識は共有。
リーマン・ショック後、世界経済が縮小する中、
環境分野は新たな成長のチャンス。
日本の優れた省エネ技術が世界中に普及すれば、
問題が解決するとの見方すらある。
政府も、企業活動を規制するような環境税の導入より、
エコポイントのように、逆に促進する仕組み作りを進めてほしい。
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◇やなせ・ゆきお
早大第一法学部(現法学部)卒、68年旧埼玉銀行
(現りそなホールディングス)入行。旧あさひ銀行(同)頭取などを
経て、03年オリックスに入社、08年1月から現職。
埼玉県出身。65歳。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/12/07/20091207ddm008020014000c.html
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