(毎日 5月19日)
経営難が伝えられていたプロ男子バスケットボールの
bjリーグ・高松ファイブアローズが、大きな決断。
チーム運営会社が、高松地裁に破産手続きの開始を申し立て。
メーンスポンサーだった穴吹工務店が経営不振で撤退して、
資金繰りが悪化。
ほぼ1社丸抱えのツケが回ってきた形で、
選手やスタッフは行き場を失った。
bj初の破産申請は、地域密着型プロチームの存在感が高まる中、
運営の難しさを印象づけた。
チームを取り巻く地域の状況も影響。
香川県内では近年、プロを含む地域密着のクラブチームが
相次いで誕生。
野球、サッカー、アイスホッケー、バレー、バスケットの計5チーム、
07年2月、競技の枠を超えて連携を目指す
「香川プロスポーツクラブ連絡協議会」が発足。
スポンサー獲得では、限られたパイを奪い合う構図。
高松がスポンサー集めに苦慮した一因。
協議会の鍵山誠会長は、「一緒にイベントを行い、
知名度を上げて、ファンを開拓する効果はある。
スポンサー獲得は、自助努力になる」
同じ事情を抱える地域は多い。
プロ野球の楽天やサッカーJ1の仙台がある
bj・仙台89ERSの中村彰久代表は、
「行政がリードする形で、『プロスポーツの町』として、
三つを一緒に応援する流れができている」
各スポーツが、「地域」に活路を求める時代。
ファンやスポンサーの獲得をめぐり、
「共存共栄か、競合か」は重要なテーマ。
企業チームが主体の男子日本リーグ(JBL)でも、
地域密着を図るプロチームが力をつけてきた。
4月12日、東京・代々木第2体育館は熱狂の渦に包まれた。
プレーオフ決勝で、プロのリンク栃木が3連覇を狙った
企業チームのアイシンに延長の末、劇的な勝利。
初めて、プロが頂点に立った。
会場は、リンク栃木のファンで埋まり、
日本バスケットボール協会の木内貴史専務理事は、
「(地域重視のチームが増える中)栃木の優勝は象徴的。
無党派層のような人たちが、自然に盛り上がった」と称賛。
リンク栃木は、創設3年目で初の単年度黒字を達成し、
強化、経営両面で成功した。
09~10年シーズンのホームの1試合平均集客数は、
リーグ2位の2609人。
日本初のNBA選手の田臥勇太、日本代表の中心選手である
川村卓也とスター選手を獲得、質の高い試合を提供して
リピーターを増やした。
山谷拓志社長は、「田臥が来た昨シーズンは、
全試合のチケットが完売。
選手の魅力がチームの魅力につながった」
JBLには、07年発足のプロチーム、レラカムイ北海道も参戦、
かつての「実業団リーグ」ではない。
bjは、創設時の05~06年シーズンは、6チーム。
今季は13チーム、来季は秋田、島根、宮崎の3チームが参入。
日本協会の検討委員会は、13年の開幕を目指す
bj、JBL統合後の「次世代型トップリーグ」に
32チームの参加を想定。
愛知には6チームもあり、関係者からは「適正規模は24チーム」
との声も聞かれる。
拡大を続ける地域密着型プロ。
他競技とのビジネスのすみ分けもあり、越えるべきハードルは多い。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/05/19/20100519ddm035050108000c.html
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