2010年6月5日土曜日

うつ病:対策「国レベルで」 4学会が共同宣言、10カ年計画策定など

(毎日 5月23日)

日本精神神経学会など、うつ病の診療・研究にかかわる
関連4学会は、「対うつ病10カ年計画」の策定など、
国家レベルでの対策を求める共同宣言を発表。

年間3万人を超える自殺者の背景に、
大きく関与するうつ病を、
「がんに次ぐ重大な社会的損失をもたらす疾病」と位置付け、
治療と研究、啓発に緊急に取り組むよう求めている。
うつ病問題で、医療を担う学会側が公式見解をまとめたのは初めて。

他の3学会は、日本生物学的精神医学会、日本うつ病学会、
日本心身医学会。
広島市で開かれた日本精神神経学会の総会後、発表。

共同宣言は、うつ病を含む精神疾患で、
働き盛りの貴重な人材を失う結果になっていることを重視。
うつ病をがん、心臓病と並ぶ「3大疾患」と位置づけ、
「国民病」として啓発活動に力を入れるよう求めた。

専門的治療と臨床研究を進める「うつ病センター」の設置や、
診療報酬体系の見直しによる人的資源の充実などを図るよう提言。
産業精神衛生の専門家の育成や、若年層からの対策として
児童精神科医の養成にも力を入れることも盛り込んだ。
数万人規模を対象とした大規模なプロジェクト研究などを
「10カ年計画」として、国家レベルで取り組む必要性を強調。

学会は、共同宣言の関係省庁への提出を検討。
日本生物学的精神医学会の武田雅俊理事長は、
「うつ病の専門家がレベルを上げるのはもちろん、
世に広く知ってもらい、政策を動かしたい」

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/05/23/20100523ddm041040099000c.html

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