(読売 5月22日)
「おいしいものをいっぱい見つけられますように。
アーメン。いただきます」
同志社小学校で、新入学1年生の初めての給食が始まった。
彩り豊かな料理に、目を輝かせる子どもたちを見守るのは、
シェフ服を着たプロのコックたち。
「しっかりと食べてくれるかどうか、毎日確認しているんです」
2006年4月開校の同小では、開校以来、
グランドプリンスホテル京都に、調理など給食事業を委託。
毎日、同ホテルの調理人5人が校内にある調理室を訪れ、
前日に仕込みを終えた食材を持ち込んで、給食を作っている。
献立は、和食、洋食、中華の3種類がほぼ日替わり。
4月は、アジの竜田揚げ、フルーツ入りキーマカレー、
マーボー豆腐といった具合。
月に1回、京野菜や上賀茂の農園でとれたイチゴを使った
「地産地消献立の日」を設けるなど、地場産の旬の食材も盛り込む。
「一流ホテルのシェフが作る給食は、本物を知る教育の一環」、
同小の奥野博行副校長(60)。
保護者が負担する給食費は月額約1万円と、
公立小学校の全国平均(約4000円)の2・5倍、
食材費だけ見ると、それほど高いわけではない。
調理を担当する小林宏行さん(50)は、調理師歴30年。
同ホテル宴会部門の調理責任者を務めてきた。
「ハンバーグに、オニオンをじっくり煮込んで甘みを出したソースを
添えるなど、ホテルならではの味にこだわっている」
栄養管理を担当し、調理師と栄養士の資格を持つ
大村明香さん(26)は、「当初は、エネルギーや脂質が多くなった
メニューもあったが、試行錯誤を重ねながら、
塩分を抑えるなど、味付けや量で調整して、
栄養バランスを図っている」と苦心。
「豪華給食と騒がれ、困惑した時もあったが、
子どもたちの姿を見れば、狙いを分かってもらえるはず」と奥野副校長。
「教育のプロと食のプロが、互いに連携し、
子どもたちの豊かな味覚を育てたい」と力を込める。
◆メモ
私立の給食は、人件費、施設費などの公的助成がないことなど、
小学校33.3%、中学校8.4%と少ないが、
実施校では特色を出していることが多い。
ホテル・レストラン業者による給食は、同志社小のほかにも、
立命館小学校が大津プリンスホテル、
慶応義塾幼稚舎がホテルニューオータニの子会社に委託。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100522-OYT8T00261.htm
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