2010年11月19日金曜日

情報機器を使う(5)教員の研修 まだまだ

(読売 11月12日)

「電子黒板を使った授業は、決して難しくありません」
つくば市にある独立行政法人「教員研修センター」で実施された
情報通信技術(ICT)の指導者養成研修。
都道府県から派遣された76人の指導者候補生に、
講師役の男性が強調。

研修は、電子黒板やデジタルカメラなどの情報機器を使った
効果的な授業や、情報モラルの指導法などを習得するのが狙い。
文部科学省所管の同センターが今年度から実施。
受講者たちは、それぞれの地域に戻った後、
ICT活用の講師として活躍することが期待。

今回の日程は4日間。
初日となるこの日は、七つのグループ別にICTを使ってどんな授業が
できるかなどについて話し合い、電子黒板で発表。
修学旅行で子どもたちが撮った写真を、電子黒板で地域の人たちに
公開する授業を提案した和歌山県教育センター学びの丘の
浜上修・指導主事(43)は、「各地域での取り組みもわかる。
研修はありがたい」

教員のICT活用指導力の向上は、喫緊の課題。
文科省は2007年、「授業でICTを使える」など五つの項目について、
10年度までに全教員が「(やや)できる」と、
自己評価するようになることを目標。

しかし、その実現は遠い。
09年度、ICT指導力について何らかの研修を受けた教員は、
全国の教員の2割。
この結果、上昇傾向にはあるものの、教材研究でICTを使える教員は、
09年度末現在で全体の74%、
授業で使えると答えたのは6割に満たない。

「授業でICTを使える」など、五つの項目すべてで全国トップの三重県では、
初任者研修などに情報教育研修を義務づけたり、
全教員がネット上でいつでも受けられる「eラーニング」を導入。
こうした手厚い研修を実施している自治体は少数派。

文科省は昨年、関東など全国を六つのブロックに分けた研修などを含む
ICT関連予算(7億円)を要求、その後の政府の事業仕分けで、
全額カットされている。
今回の研修は、国で実施できなくなった研修を、
急きょ規模を縮小し、同センターで実施することになった経緯。

子どもたちが、効果的な授業の恩恵にあずかれるために、
国や自治体がやるべきことは少なくない。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101112-OYT8T00176.htm

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