2010年11月18日木曜日

ココア インフルエンザ予防に効果

(2010年11月12日 毎日新聞社)

インフルエンザの季節がやってきた。
予防には、日ごろの体調管理で免疫力を高めておくことが大切、
ちょっとした食べ物の工夫も役に立つ。
「冬の脅威から身を守る!ココアの健康機能」と題した
マスコミセミナーが開かれた。

◇NK細胞を活性化、免疫力アップ

インフルエンザの予防には、ワクチン接種が効果的。
ワクチンは、体内に侵入したウイルスを撃退する抗体を高める働きがある。

森永製菓は、ワクチン接種と並行してココアを摂取した場合、
免疫力にどんな効果があるかを調べた。
その結果を、日本ウイルス学会に続き、都内のセミナーで公表。

発表したのは、亀井優徳・森永製菓研究所分析研究室長。
試験は、ワクチン接種した健康な成人を、3週間毎日1杯のココアを
飲んだグループ(63人、約39歳)と、飲まなかったグループ
(60人、約40歳)の二つに分け、NK細胞の活性の程度や
新型インフルエンザウイルスと季節性インフルエンザウイルスに対する
抗体への影響を見た。

その結果、NK細胞の活性は、どちらのグループも上がったが、
ココアを飲んだグループの方が、上昇程度が高かった。
NK細胞は、リンパ球の一種で、がん細胞や細菌、ウイルスなどの
異物を撃退する。
活発になれば、ウイルスに感染しにくくなる。

亀井さんは、「ココアは、NK細胞の活性化を通じて
免疫を上げる働きがあったと考えられる」

同社は昨年、マウスの実験でココアを与えた場合、
インフルエンザウイルスに感染しても死亡率が低くなる実験をした。
この要因が、NK細胞の活性化であると推定。

◆普通の風邪には?

間藤卓・埼玉医科大学総合医療センター准教授は、
ココアが風邪の症状の抑制に効果があるかどうかを調べた。

試験は、昨年12月~今年4月実施。
12人の成人に、約4カ月間毎日ココアを飲んでもらい、
同期間ココアを飲まなかった99人と風邪の発症率を比べた。
その結果、ココアを飲んだグループでは12人中3人が発症(25%)、
飲まなかったグループでは99人中22人が発症(22%)、
両群に差はなかった。
しかし、症状などには差が出た。

ココアを飲んだグループで発症した3人は、
のどや関節の痛みなど重い症状がなかったが、
飲まなかったグループでは発症した22人中9人(38%)が
関節の痛みなど重い症状を訴えた。
最高体温は、飲んだ人が38度、飲まなかった人が38・8度。

間藤さんは、「人数が少なく、統計的に意味のある差が出るほどの
結果ではない。
ココアを飲んでいると、風邪にかかったときに症状が軽くなる
傾向はうかがえた」
ココアはあくまで食品。
「好きな飲み物の一つとして、楽しみながら飲むのがよい」

◆キノコ類でも

免疫力を上げる食べものは、他にもある。
シイタケやエリンギなどのキノコ類に含まれる食物繊維の一種の
β(べータ)-グルカンは、免疫機能を高める作用を持つ。

高麗ニンジンにも、NK細胞を活性化させる働きがある。
高麗ニンジンを世界に輸出している韓国人蔘公社・安全研究センターの
白仁鎬(ペクインホ)所長は、「イタチやネズミに、
あらかじめ高麗ニンジンを与えた実験では、
インフルエンザウイルスに感染しても、生存率が高いデータが得られた」
韓国では、高麗ニンジンの製品に「免疫を高める」という
機能表示が認められている。

インフルエンザの予防には、こまめな手洗い、うがい、
十分な睡眠などが大切なことは言うまでもない。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/12/128234/

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