2010年11月17日水曜日

扉の向こうに:広州アジア大会新競技/1 囲碁 「アスリートの考え方持たねば」

(毎日 11月1日)

味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で、
アジア大会に向けた派遣準備手続きの一つとして、
ドーピング(禁止薬物使用)検査が行われた。

囲碁の棋士にとっては、初めての経験。
本因坊道吾の号を名乗る日本代表主将の山下敬吾は、
検査員の目の前で排尿することに驚いたが、それと同時に、
囲碁が「スポーツ」の仲間に入ったことも自覚。

「これまで囲碁は、文化や芸術という頭しかなかったが、
アスリートの考え方も持たなければならない」と山下。

JOCは、今年春の派遣準備説明会で手続きを解説し、
情報医科学部会を問い合わせ窓口にするなど、手厚い対応をした。
日本のトップ棋士である山下でさえ、
「ドーピングというと、筋肉増強剤のようなものとばかり考えていた。
風邪薬の中にも引っかかるものがあるとは知らなかった」
女子の向井千瑛は、体調管理のために飲んでいたサプリメントをやめた。

4年前のドーハ大会では、チェスが正式競技となり、
今回は開催国である中国の意向を受け、囲碁も「頭脳スポーツ」として採用。

公募で、「知恵の和ジャパン」と名付けられた日本代表は、
プロ棋士ばかりの男女計10人。
8月、トップアスリートの強化拠点であるNTCで強化合宿も行った。
代表監督を務める大竹英雄・全日本囲碁連合会長は、
新しい形の大会にも参加できる時代になった。
文化性、伝統性のある囲碁をどのように伝えていくかが、
日本代表の使命になる」と意気込んでいる。

大会では、中国、韓国、台湾がライバル。
山下は、「いつもは個人の戦いだけど、チームワークを大事にしたい。
普段とは違うプレッシャーを感じている」と開幕を待つ。
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◇囲碁

今大会では、チェス競技の中の一種目として実施。
個人戦はなく、男子団体(5人制)、女子団体(3人制)、
男女が交互に打つ混合(通称・ペア碁)の3種目。
団体は、それぞれ1対1の対局をこなし、男子は3勝、女子は2勝で勝利。
持ち時間は45分~1時間の予定、1日3局打つ日もある。
試合は20日から7日間。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/11/01/20101101dde035050003000c.html

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