2011年7月8日金曜日

1万4千人が受診・相談 精神科医らの「心のケア」

(2011年6月27日 共同通信社)

東日本大震災で被害の大きかった岩手、宮城両県で、
精神科医らによる「心のケアチーム」の相談支援や診察を受けた
被災者が、少なくとも延べ1万4111人に。

津波で家族や家、職を失い、不眠や不安、いら立ちを訴えた人が
多数を占め、被災者の精神的サポートの必要性があらためて浮き彫り。

避難生活の長期化で、心のバランスを崩す人が出る一方、
仮設住宅入居で孤独感を抱く人も。
専門医らの対応には限界があり、被災地で治療に当たっている
心療内科医は、「今後は、精神面を支える地域のつながり、
周囲の支援が大切になる

心のケアチームは、精神科医や看護師、精神保健福祉士らが
数人単位で組織し、厚生労働省に登録。
被災地の要請に基づき、これまでに54チームが派遣、
避難所や被災住宅を巡回、心身に不調を来した住民の相談を受け、診察。
被災した自治体で、独自に組織されたケアチームも巡回。

宮城県精神保健福祉センターによると、政令市の仙台市を除く
県内では、3月17日から活動を開始。
中心市街地が壊滅的な被害を受けた気仙沼市や南三陸町を
抱えていることもあり、支援をした被災者は5月27日現在で延べ8318人。

最も多かった症状は「不眠・睡眠障害」で、1891人。
「不安・恐怖」954人、「イライラ」を訴えた被災者も369人。
「抑うつ気分」278人、「無気力」126人と多かった。
「食欲不振」、「アルコール問題」の相談も数多く寄せられた。

沿岸部の被害が大きかった仙台市では、3月14日からケアチームが
活動を始め、6月11日までに診察などをした被災者は延べ2310人。
岩手県は、3月18日~4月30日に、延べ3483人、
5月以降の数字は集計中のため、人数はさらに膨らむ見通し。

福島県でもこれまでに11チームが入っているが、
担当者は「まだ活動実績がまとまっていない」

※心のケアチーム

地震や津波などの被災地で、災害のストレスによって心身に不調を来した
住民や、受診先がなくなった精神障害患者への対応をする医療チーム。
精神科医や看護師、保健師、精神保健福祉士などの専門家が、
数人単位で避難所や被災住宅、在宅患者を巡回。
継続的な診療を要する場合、地域の医療機関を紹介し、
必要な時には投薬も行う。
東日本大震災では、厚生労働省が災害対策基本法に基づき54チーム、
計2450人を岩手、宮城、福島3県に派遣。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/6/27/138481/

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