2008年11月2日日曜日

もっと知りたいエコロジー:生ごみの堆肥化で循環型生活

(毎日 10月29日)

家庭から出る生ごみも、堆肥化すると貴重な資源。
集合住宅でも気軽にできる方法もあり、できた堆肥をガーデニングや
家庭菜園に活用すれば、低炭素社会に向けた資源循環型生活の一歩に。

◆発泡スチロール箱やジッパー付き袋

「生ごみリサイクルの輪を広げよう」と、
市民グループ「江戸川区生ごみ堆肥化実践クラブ」(東京都江戸川区)では、
事務局長の江原春美さん(58)ら有志が講習会を開き、
堆肥化の普及に取り組んでいる。

テキストにはコンポスト容器をはじめ、発泡スチロールの箱や
「ジッパー付き袋」を使ったオリジナルの方法も紹介。
「コンポストは庭のある家が前提ですが、私もマンション住まいなので、
家では発泡スチロールの箱でつくっている。
きちんとやれば臭いもなく、虫もわかない」

基礎編として、発泡スチロールの箱と、1箱分の土を用意。
箱の底に土を敷き、1晩置いて水を切った生ごみを入れる。
土を足して混ぜ合わせ、水分を取るために新聞紙を上に置いてふたをする。
「ごみが出たらその都度、これを繰り返す。
中身がいっぱいになったら、多めに土をかぶせてふたをして熟成させる。
半年ほどで堆肥ができあがる」

堆肥化とは、土のなかの微生物の働きを利用して有機物を分解すること。
「悪臭が発生するのは、腐ったごみを入れたか、水分が多いため」
初心者は、野菜のくずや茶殻、コーヒーの残りかすなどから始め、
「慣れるまでは、発酵促進剤として米ぬかや種菌となる堆肥を混ぜると失敗が少ない」

ジッパー付き袋を使った方法はこの応用編で、
メンバーの疋田ひろ子さん(58)が発案。
水を切った生ごみをこの袋に入れ、米ぬかをまぶして
空気を抜いてジッパーを閉じる。
最初のごみを入れて1週間たったら、約5倍の土と混ぜる。
あとは基礎編と同じ要領。
「袋の中で一次発酵、土と混ぜて二次発酵。手間はかかるが堆肥化が早くなる」

子育てが終わり、夫婦2人暮らしの江原さんは、
「野菜はなるべく食べ切るようにしている。
生ごみは分解されると量が減っていくので、20リットル程度の箱だと
1カ月半から2カ月はもつ」。
堆肥は学校菜園などで効果を確かめている。

同クラブでは04年秋から毎年2回講習会を実施し、
これまでの受講者数は約500人。
江戸川区民の可燃ごみの排出量は一人1日当たり約390グラム(5月現在)。
「全員が実践しているとすれば、かなりの生ごみが資源として
リサイクルされたことになる」と江原さん。

◆「自分流」のやり方で

東京都文京区のNPO「緑のごみ銀行」理事長、松本美智子さん(62)は、
米ぬかと市販の容器を用いた手軽な方法で堆肥をつくり、
自宅マンションでのベランダ菜園やガーデニングに利用。

台所の足元の棚から取り出したのは、
プラスチックのぬか漬け容器(8リットル入り)。
「やり方は簡単です。容器にビニールを敷いて生ごみを入れ、
上からぬかをかけてざっと混ぜ、空気を抜いて容器のふたをする」。
これを繰り返す。

生ごみ処理には3つのポイントがあり、
1)濡らさない、
2)細かく切る、
3)腐ったものやかびたものは入れない。

「私の場合、ジャガイモやタマネギなども洗わないまま皮をむいてます」
容器がいっぱいになったら、コンテナの土と混ぜ、虫よけにネットをかける。
夏場は2~3カ月、それ以外は半年をめどにベランダに置き、
時折かき回すと「ふかふかの堆肥になる」。
「キャリアでいえば12年。『手間をかけない、お金をかけない』を合言葉に
試行錯誤を続け、いまの方法に落ち着いた」

同NPOでも、この夏から地域で生ごみ減量講座をスタート。
松本さんが「自分流」のつくり方を紹介。
「ごみを乾燥させて土に入れる人もいれば、私のようにぬかにあえる人もいる。
初めは面倒かもしれないが、自分のやりやすい方法で続けていけば楽しくなる

NPO「有機農産物普及・堆肥化推進協会」事務局長の会田節子さん(63)は、
「食材を買い過ぎない、料理をつくり過ぎない、食べ残しをしないなど
限りなく生ごみを出さない生活を心がけてほしい。
そのうえで、余ったものを堆肥にして暮らしに役立てて」と勧めている。

http://mainichi.jp/life/ecology/news/20081029org00m040008000c.html

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