(岩手日報 10月25日)
本県の児童生徒の体力は、中学、高校と進むにしたがって、
強くなる傾向があることが、県教委の2007年度体力・運動能力調査
(新体力テスト)で分かった。
中高生の体力向上は、全国トップクラスの運動部加入率が背景に。
小中高とも、50メートル走の記録低下が顕著で、
「瞬発力の弱さ」が依然、課題。
新体力テストは毎年度、県内小中高全学年を対象に実施。
07年度は、約13万4000人の握力や反復横跳びなど8種目を調査。
全国の06年度調査と本県の07年度を比較すると、
小学生で全国平均を下回る種目が5年男子で5項目、4年女子で3項目。
女子は、全国平均をやや上回るが、男子は全体的に全国平均を下回る。
中学生になると、改善傾向がみられ、高校生では2年男子、1年女子で
全種目が全国平均を上回った。
背景の一つに、高い運動部加入率が挙げられる。
県高体連によると、08年度の県内高校生は男子77・5%(全国57・3%)、
女子43・1%(同28・3%)が加入、どちらも全国トップ。
県中体連の調べでは、中学校も男子93・1%、女子73・2%と高く、
男女合わせた平均加入率は83・4%(全国67・9%)。
ほぼ毎日部活動があるという盛岡市・下小路中の
女子バスケットボール部1年の熊谷彩さんは、
「小学生でもミニバスをやっていたが、中学になって練習は倍以上に増えた」
と運動量の増加を実感。
課題は瞬発力。
小中学校の全学年男子で50メートル走、立ち幅跳びが全国平均を下回る。
07年度の5年男子の50メートル走は平均9・64秒で、
1989年度から0・37秒も下がった。
親世代(81年)と比較しても、女子は小中学校全学年で記録が下回るなど、
低下傾向が顕著だ。
県教委は対策として08年度から、小学校の体育の授業を
大学生や地域住民がサポートする「実技アシスタント」を配置。
スクールバスで通学する児童生徒の実態把握など、
10項目の生活に関する調査も行い、結果を見ながら、体力向上策を進める。
◆作山正美岩手医大教授(スポーツ科学)の話
本県の小中学生は、筋力とスピードを合わせた「筋パワー」の向上が課題。
速く考え、速く動く力を身に付ける必要がある。
瞬発力は児童生徒のほか、競技選手も弱い。
通学手段や、運動量と食事のバランス、冬季の運動環境との関連が考えられる。
中高生は部活動のほか、地域で運動する機会が増えているのでは?
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081025_3
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