2008年11月3日月曜日

世界はエコロジーでも信用危機に

(サイエンスポータル 2008年10月29日)

世界を揺るがす金融危機同様、世界は「エコロジカルな信用危機」に
向かって突き進んでいる、と世界自然保護基金(WWF)が公表した
「生きている地球レポート2008年版」の中で警告。

世界の人口の4分の3以上が、エコロジーの視点からは
赤字の状態にある国に暮らしている。

つまり、その国の消費が、国内の生物生産力を超えてしまっている状態。
地球の「生物生産量」を、人類1人あたりの面積換算で示した
「グローバルヘクタール」は、2.1。
これに対し、1人あたりの生活を支えるのに必要な生物学的に生産可能な
土地・水域を示すフットプリントは、既に2.7グローバルヘクタール、
地球の生物生産量を30%近く超過。
野生生物の個体数の推移を見た「生きている地球指数」は、
1970年に比べ30%近い個体数の減少。
熱帯の森林伐採や土地利用の転換が大きく影響しており、
熱帯地方の「生きている地球指数」は、50%も低下。

WWFインターナショナルのリープ事務局長は、
「地球環境に対する人類の需要が、現在と同じペースで伸びていけば、
2030年代の半ばまでには、ライフスタイルを維持するために
地球が2個分必要になる」。

新たに算出された水フットプリントは、
商品に形を変えて取引される水の量を示している。
1人あたりの年間平均水消費量は、オリンピック用水泳プールの半分の量に等しい
124万リットルに上り、約50の国が中程度から強度の水ストレスに直面している。

0 件のコメント: