(東海新報 11月4日)
陸前高田市竹駒町の産金地「玉山金山」の歴史的価値を再認識しようと、
今春組織した玉山金山遺跡活用推進協議会(上部修一会長)は、
高田町の市ふれあいセンターで、初の「金山サミットin陸前高田」を開いた。
平泉の黄金文化とつながりがある気仙や宮城県北地域の金山関係者が
それぞれの遺跡を紹介。
今後の地域振興策として、平泉文化の世界遺産登録を支援していくことを確認。
サミットは、金山遺跡を今後の地域振興策にいかに役立てていけるかを
探るもので、市内外から約230人が参加。
上部会長は、「これを機に金山のある地域が連携し、
観光振興につなげていこう」とあいさつ。
中里長門市長は、「平泉の世界遺産登録延期は残念だが、
今後につながるサミットに」と歓迎。
県大船渡地方振興局の高橋克雅局長は、
「3年後の世界遺産登録に向けて協力を」と語った。
記念講演では、玉山金山と縁のある塩釜神社の元禰宜で、
現在は京都の平野神社で宮司を務めている尾崎保博さんが、
「平泉黄金文化と気仙」と題し登壇。
講師は、砂金採集をアドバイス。
「気仙地域のどこの川でも砂金が採れることが分かれば、
産金の歴史を証明することになり、ひいては平泉文化ともつながってくる」、
「世界遺産登録を実現させるためには、砂金を採ること」と強調。
県埋蔵文化財センターの相原康二所長のコーディネーターによる
リレートークでは、大船渡市の今出山金山(元同市収入役・中村隆男さん)、
玉山金山(陸前高田市立博物館専門研究員・細谷英男さん)、
住田町の蛭子館金山(町教育委員・千葉英夫さん)をはじめ、
一関市(磐井郡)の諸金山、宮城県気仙沼市の鹿折金山、
本吉町の大谷金山についての関係者や研究者が遺跡を紹介。
いずれの金山もすでに閉山したものの、
地域の産業や経済の発展に大きく貢献してきたことを説明。
陸前高田市の細谷さんは、今後の遺跡活用について
「平泉文化との結びつきが伝えられる岩手県南地域と宮城県北地域の
金山遺跡を歴史的な地域資源として、点から面へと発展させ、
地域間交流の促進を」と訴えた。
竹駒地区の青壮年有志で組織する竹駒21の会の佐々木金雄会長が、
▽金山遺跡を大切に保存し、調査を進めて後世に引き継ぐための活動を推進、
▽金山遺跡を貴重な地域資源ととらえ、地域活性化に役立つ活動、
▽金山遺跡にかかる諸活動を通じて「平泉文化の世界遺産登録」を支援する、
と大会宣言案を読み上げ、満場の拍手で承認。
上部会長は、「多くの人に参加してもらい感謝している。
今後は、竹駒地域の振興や活性化につなげたい」。
サミットの関連行事として行われた史跡散策会「玉山金山遺跡ツアー」には、
定員の20人が参加、千人坑跡や和右衛門坑跡、玉山神社を訪れて
往時に思いを馳せたほか、サミット会場では玉山金山に関する写真や資料を
並べた「遺跡展」が開かれた。
http://www.tohkaishimpo.com/
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