2008年11月21日金曜日

医療、介護にロボット技術 看護師らの負担を軽減 「関西経済」

(共同通信社 2008年11月20日)

医療や介護関係者の負担を軽減しようと、関西の電機メーカーなどが
病院向けの自動搬送ロボットや車いすロボットの開発に力を入れている。

関西には、センサーや電子部品をはじめ、ロボットとかかわりの深い分野を
得意とする企業が集積。
市場の成長が見込まれる中、今後は技術力を生かす場が広がりそう。

「こちらに進みます」、「道を空けてください」。
点滴液や注射器を積んだワゴンを引っ張るロボットが、障害物を避けながら
京都第2赤十字病院病棟3階の廊下をゆっくりと進む。

村田機械(京都市)が、慶応大と開発中の「MKR-003」。
センサーを駆使し、建物を1度周回するだけで自動的に
地図を覚え込むのが特長で、30キログラムまで搬送できる。

田中聖人消化器科副部長は、「人手不足の中、重い物を運んでいる
看護師の支援になれば」と期待。
現場の声を改良につなげようと、今年4月から走行実験を続けており、
村田機械は2010年度の商品化を目指す。

20台弱の自動分析装置が並ぶ臨床検査大手ビー・エム・エルの
総合研究所(川越市)の生化学検査室。
互いにうまくすれ違い、目的の装置に到着して次々と検体をセットしていくのは、
パナソニック電工の自律走行ロボット「HOSPI(ホスピー)」。

複数のロボットが移動する際に渋滞しないようコンピューターが制御し、
入力された地図情報を基に最適な経路を選ぶ。
計15台を購入したビー・エム・エルは、
「ヒューマンエラー回避を目的とする自動化の一環。スピードも問題ない」
(広報担当)と高く評価する。

中小・ベンチャー企業も独自の技術力を生かし、成果を挙げている。
八洲電業(大阪市)は、付き添いの看護師の負担を軽減する
自動電動車いすロボットを、来春をめどに欧州に出荷する方針。
磁気テープに沿って走り、障害物があると自動停止する。
1度の充電で12キロ走行できる。

パナソニックの社内ベンチャー、アクティブリンク(京都府)は
人の手足の力を増幅させ、建設作業などを支援するシステムの開発に取り組む。
ベッドから患者を移動させるなど、介護現場での活用も検討中。

日本ロボット工業会(東京)は、医療施設分野向けのロボット技術市場の
出荷額が2010年に4億円、20年には980億円まで増加すると予想。
介護・福祉施設用は、10年の79億円から20年に2727億円に増える。

大阪市では、11月26日から3日間、"ロボットが創る地球と人間の新しい未来"
をテーマに、約70の企業・団体が参加する
「国際次世代ロボットフェア2008」が開かれ、市場拡大をにらんだ動きも活発化。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83293

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