(共同通信社 2008年11月11日)
看護師養成教育を5年(本科3年、専攻科2年)一貫で行う看護高校の
生徒の27・7%が、卒業後の進路として、現行制度では認められていない
大学への編入を希望していることが、
全国看護高等学校長協会の調査で分かった。
一貫高校を卒業しても、助産師などの受験資格を得るには、
さらに看護系の4年制大学などに1年生から入り直す必要があり、
普通科高校から直接、大学進学する場合に比べて
2年間"遠回り"を強いられていることが背景に。
文部科学省の検討会も問題解消に向け、編入容認を検討課題に挙げた
報告書案をまとめ、省内で議論が始まっている。
調査は7-8月、全国の一貫高校で学ぶ生徒約1万6000人を対象に実施し、
うち約1万5000人が回答。
卒業後、引き続き大学への編入を希望する生徒は15・4%、
時期は特定しないが、将来的に編入を希望する生徒も12・3%、
4人に1人強に当たる27・7%が編入を望んでいる。
希望者の81・3%が、編入先として看護系大学を希望。
理由を複数回答で聞いたところ、高卒では取れない「助産師資格取得」を
挙げたのがほぼ半数の49・6%。
「保健師資格取得」が35・7%、「養護教員希望」も22・4%。
「高度な看護学を学びたい」33・5%、「看護学の学位を取得」16・6%など、
大学での学習に意欲を示す生徒がいる一方、
21・7%は「看護を学び直したい」と答え、卒業後すぐ医療現場に出ることに
不安を抱える姿も浮かんだ。
協会調査では、昨年度に一貫高校を卒業した生徒の95・5%が就職し、
大学や短大などに入学したのは3・1%。
▽看護高校
高校の看護師養成課程は、
(1)3年課程で准看護師を目指す
(2)その後2年課程の専攻科へ進み看護師を目指す
(3)当初から看護師を目指し、5年課程の一貫校で学ぶ-の3形態。
資格取得に関係なく、看護学を学ぶ学科を設ける高校もある。
全体の生徒数は約2万人。文部科学省は、
短大や高等専門学校(高専)、専門課程を持つ専修学校(専門学校)
からの大学編入を認めているが、高校専攻科の教育内容は
学習指導要領の対象外なことなどから、
「教育の質が保証されていない」として編入を認めていない。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=82772
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