(岩手日報 11月17日)
本県の南部鉄瓶が、中国雲南省が原産地の高級茶・プーアル茶の
販売大手企業から注目。
プーアル茶は、少量の茶葉を20回程度、熱湯を注いで飲み、
最後はさらに加温の上、煮出し使用することから、
保温性が高い南部鉄瓶が適している。
企業はすでに、本県の南部鉄瓶数100個を輸入し、
中国のプーアル茶ブームを受けさらなる取引拡大に意欲を示している。
この大手企業は、中国上海市の上海大可堂茶業有限公司。
2007年春に中国大連市の県大連事務所を通じて、南部鉄瓶に着目。
今年5月から奥州市水沢区の及源鋳造と取引を始め、
これまでに約1000万円相当を輸入。
上海大可堂茶業有限公司は輸入拡大に向け、
今月中旬に及源鋳造のほか、盛岡市の岩鋳を視察。
プーアル茶に合う弱アルカリ性の軟水も求め、本県の水質事情を調べた。
何作如名誉会長(60)は、「中国ではプーアル茶が流行しており、
水や器が大切になっている。今は上海を中心に販売しているが、
中国全土に販売を広げていきたい」と意欲的。
本県の南部鉄瓶は、国指定の伝統的工芸品の南部鉄器の一つ。
海外には、商社経由で欧州や台湾などに輸出しているが、
中国への直接輸出は初めて。
上海大可堂茶業有限公司では、グループ企業の出版会社が
「中国文化と日本文化の融合」をテーマに出版物を発行。
プーアル茶と南部鉄瓶の魅力を中国に広くPRする予定。
質、デザインが認められ、世界的にマーケットが広がる南部鉄器だが、
海外での商標権問題も抱えている。
中国では、個人が「南部鉄器」の商標を登録申請し、
中国商標局が審査中だが、認可された場合、
本県から「南部鉄器」の商標で中国輸出できなくなる可能性がある。
県地域産業課の飛鳥川和彦・海外マーケット特命課長は、
「商標登録される前に、中国で本県の南部鉄器の知名度を高めていく必要がある」、
中国での岩手ブランドへの認識の高まりを期待する。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081117_13
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