(岩手日報 11月16日)
奥州市出身の元首相・斎藤実(1858-1936年)の
生誕150年記念シンポジウムは、市文化会館(Zホール)で開かれた。
生前の斎藤を知る孫の岡百子さん(81)らがパネリストとして参加。
斎藤と妻春子さん(1873-1971年)にまつわる企画展も始まり、
多くの市民らが郷土の偉人の遺徳をしのんだ。
記念事業実行委(会長・相原正明奥州市長)主催。
岡さんのほか、東京大准教授の加藤陽子さんと外村大さん、
相原市長の4人がパネリストを務めた。
岡さんは、斎藤が凶弾に倒れた1936(昭和11)年の二・二六事件まで、
東京都四谷区(現新宿区)の斎藤の別邸で斎藤夫妻と過ごした。
祖父の人柄を、「温厚で人を怒ることはなかった」と振り返り、
斎藤死後の春子さんについて、「穏やかではあったが、不幸だったことは
息子に先立たれたことではないか」。
外村さんは、「人柄が表れている」と斎藤の書を分析。
加藤さんは、二・二六事件後、昭和天皇が涙を流したとされる理由として、
当時の陸軍が斎藤の考えに沿わず、新しい戦争に動きだしていたことなどを挙げた。
相原市長は、「武士の魂を持ち、国際性にも優れていた」と、
斎藤の志を後世に伝えていくことを誓った。
市民ら約760人が聴講。
同市水沢区東大通りの浅倉牧子さん(84)は、
「変化の時代でも、受け継がれてきた斎藤の精神や水沢の心を感じた」。
Zホールの展示室では24日まで、二・二六事件当日の記録が記された
資料や弾痕が残る鏡など約100点を紹介する企画展が開かれている。
開館時間は午前10時-午後6時。入場無料。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081116_7
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