2009年2月20日金曜日

ダイエット炭酸飲料の1日消費量がメタボリックシンドロームと2型糖尿病に関係

(2009年2月18日 Medscape)

ダイエット炭酸飲料を毎日飲んでいると、
メタボリックシンドローム(MetSyn)の一部の構成項目と
2型糖尿病の発生リスクが有意に大きくなるという結果が、
『Diabetes Care』1月16日号オンライン速報版に報告。

テキサス大学健康科学センターのJennifer Nettletonらは、
「2つの縦断的コホート研究により、ダイエット炭酸飲料の消費量と
MetSynの発生率との間には、当初の過脂肪の測定値とは
独立して関連性がある」

「別々のコホートで、ダイエット炭酸飲料とMetSynとの関連性が再現、
結果の信頼性は高く、因果関係の可能性が窺える。
これまでの研究では、ダイエット炭酸飲料とMetSynの個々の構成項目や
2型糖尿病のリスクとの関連性は調べられず、関係性に影響を与える
経時的な修飾因子について、ちゃんと扱われていなかった」

目的は、『アテローム性動脈硬化多民族研究
(Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis: MESA)』の一環として
ダイエット炭酸飲料の消費量と、MetSyn、構成項目、
2型糖尿病の発生リスクとの関連性を評価すること。

2000~2002年に1回目の評価を行い、食品摂取頻度質問票で
ダイエット炭酸飲料の消費量のベースライン値を測定。
追跡評価は、02~03年、04~05年、05~07年の期間。
空腹時血糖値が126 mg/dLを超えた場合、2型糖尿病であることの自己申告が
あった場合、糖尿病薬を使用している場合を2型糖尿病の発生と定義。
MetSynと構成項目は、米国高脂血症治療ガイドラインATP IIIの基準に準拠。
集団特性、生活習慣、食事交絡因子を調整して、
2型糖尿病、MetSyn、MetSyn構成項目のハザード比(HR)を算出。

ダイエット炭酸飲料を毎日摂取する被験者は、
ダイエット炭酸飲料を摂取しない被験者に比べ、
MetSyn発生の相対リスクが36%大きく、
2型糖尿病発生の相対リスクが67%大きかった。

MetSynの構成項目のうち、ダイエット炭酸飲料の消費量に
前向きに関連していたものは、
大きい胴囲(男性102 cm以上、女性88 cm以上)と、
高い空腹時血糖値(100 mg/dL以上)のみ。
ダイエット炭酸飲料消費量と2型糖尿病との関連性は、
過脂肪のベースライン値およびその変化からは独立。
ダイエット炭酸飲料とMetSynとの関連性は、因子から独立していなかった。

「今回のデータでは、因果関係を確立させることはできないが、
ダイエット炭酸飲料を毎日摂取すると、MetSynの一部の構成項目と
2型糖尿病の発生リスクが有意に大きくなった」

研究の限界として、観察研究であるために因果関係の決定ができないこと、
食事関連因子や生活習慣/行動関連因子が交絡している可能性があること、
ダイエット炭酸飲料や人工甘味料の摂取量の算出が難しいこと。

「今回、『地域におけるアテローム性動脈硬化リスク(ARIC)』研究や
フラミンガム研究の所見を支持し、ダイエット炭酸飲料と2型糖尿病との間に
より有害性が強い関連性がある」

「ダイエット炭酸飲料の消費は、その他の食事や生活習慣とは
独立していてもいなくても、体重増加を引き起こし、血糖コントロールを障害し、
最終的に糖尿病に至らしめる可能性がある」

Diabetes Care. Published online January 16, 2009.

http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/2/18/92008/

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