(2009年2月13日 共同通信社)
血糖値を下げるインスリンを膵臓内で分泌する「ベータ細胞」の
源となる細胞を、九州大大学院医学研究院の稲田明理・特任准教授らの
グループがマウスで突き止め、糖尿病の新たな治療法に道を開く発見と注目。
糖尿病では、ベータ細胞が減少してインスリン分泌が減り、
血糖値を調節できなくなる。
ベータ細胞を再生できれば、根本的な治療になると考えられている。
ベータ細胞の供給源を探っていた同グループは、
膵液を運ぶ膵管の細胞に着目。
マウスを使い、遺伝子操作で膵管細胞に印を付けて追跡し、
この細胞の一部がベータ細胞へ分化したことを確認。
別のマウスの実験では、損傷した膵臓の組織が再生する際、
膵管細胞からベータ細胞が供給されることも分かった。
稲田特任准教授は、「人体でも膵管細胞を刺激して、
ベータ細胞の増加を促すことができれば、新たな治療法につながる可能性が。
今後は、ベータ細胞に分化する仕組みの研究が期待」
ベータ細胞の起源をめぐっては、米ハーバード大のグループが
ベータ細胞の分裂以外にないとの説を主張。
稲田特任准教授は、同大に在職中の2002年から研究に取り組み、
この説を覆した。
米科学アカデミー紀要に掲載。
厚生労働省の「2007年国民健康・栄養調査」によると、
成人で糖尿病の患者や罹患が疑われる人は、推計2210万人、4.7人に1人。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/2/13/91689/
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