2009年2月20日金曜日

環境対策、北欧に学んで 一関出身のスズキさん

(岩手日報 2月17日)

北欧デンマークの成功に学べ-。
一関市出身で、同国在住の環境活動家ケンジ・ステファン・スズキさん(64)
(旧姓・鈴木健司)は、同国で盛んな自然エネルギー活用の取り組みを、
日本各地を訪ねて発信。

環境対策やエネルギー安定供給に加え、地方活性化にも成果を挙げている
デンマークの挑戦は、「日本にとって良い手本になる」と
草の根からの機運醸成に意欲を燃やす。

栃木県那須塩原市内で、エネルギー事情を学ぶセミナーが開かれた。
スズキさんは約30人の受講者に、デンマークの風力発電などを説明。
国内自給率の低い小麦を作り、麦わらを燃料化し、
建物の暖房や給湯に使う。
化石燃料の消費が減り、食料自給率も高まる」とアイデアを示した。

42年前、デンマークに移住したスズキさんは1990年、調査会社を設立、
風力発電事業を手掛けた。
その経験を基に97年、北部ウアンホイに日本人向け研修施設
「風のがっこう」を設立。県人ら1800人以上を受け入れた。

10年ほど経過した2006年に、「所期の目的を達成した」として同施設を売却。
以来、日本を毎年訪ねており、提携している市民団体がある栃木県を拠点に
講演や研修会で全国約10地域を歩いた。

スズキさんによると、デンマークのエネルギー自給率は73年1・8%、
同年の第一次石油ショックを機に、自然エネルギー導入を推進。
05年には156%に達し、エネルギー輸出国への転換に成功。

主力の風力発電は、設備の約80%を市民が所有。
家畜のふん尿はバイオガス発電に利用。
これらを売った副収入で、地方の農家などは生活を豊かにし、政府税収も増える。
二酸化炭素の排出抑制にも成果を挙げた。

日本の05年エネルギー自給率は18%。
売電価格が低いため、民間参入が進まないのが実情。
スズキさんは、「民間の電力会社が自社の利益を守ろうとすれば、
自然エネルギー導入は進まない。
電力事業を公営にすれば、国策として強力に推進できる」

スズキさんは、那須塩原市内で「薪ストーブ愛好会」を設立。
薪のすぐれた熱量に着目。
有志を募り、共同調達して化石燃料の消費抑制を狙う。
「まずは、身近なところから成果を出したい。
森林資源の豊富な岩手にも輪を広げたい」と期待。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090217_13

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