2009年2月20日金曜日

サイバーダインのロボットスーツ「HAL」

(日経 2月5日)

日経優秀製品・サービス賞 2008最優秀賞
◇サイバーダインのロボットスーツ「HAL」

サイバーダイン(茨城県つくば市)のロボットスーツ「HAL」は、
高齢者や要介護者といった筋力が衰えた人の動作を補助する。
着用者の体に負担をかけない円滑な動きが特徴。

◆社長 山海嘉之さん

大学時代に人工心臓を専攻し、医学と工学の境界にある「医工学」を学んだ。
この医工学で何か形のある製品を作り社会に貢献したいと思ったのが、
ロボットスーツ開発を始めたきっかけ。
ロボットづくりは、子供のころからの夢。

1989年に開発に着手、神経と筋肉の動きに関するデータ収集に取り組んだ。
体を動かす際には、微弱な電気信号が脳から神経を経由して筋肉に伝わる。
皮膚の表面に信号を感知するセンサーを取り付け、
階段を上り下りしたり、イスから立ち上がったり、かがんだりするときに、
筋肉がどう動き、どんな信号が送られるのかを調べた。

筋肉と信号の相関関係を示す膨大なデータをもとに、
1997年に第1号の試作機を開発。
筋肉が動くよりも一瞬早く信号を察知してスーツを動かし、
動作を補助する仕組みで、着用者の意思通りのスムーズな動きが可能に。

データの蓄積は現在も継続中で、自立歩行が困難な高齢者や要介護者らの
協力を経て、日常の基本的な動作や筋肉の構造を調べている。
ひじやひざといった関節の動きも調査対象に加え、
手の指などの細かい動きのデータの把握にも取り組んでいる。

データが増えるほど、ロボットスーツで制御可能な範囲が広がり、
様々な用途に使えるようになる。
現在は、まだ体の動きの一部しか補助できないが、
将来は一般家庭で自動車に乗るような感覚で、
気軽に利用できる装置を目指す。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/award2008/awa090205_4.html

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