2009年2月15日日曜日

運動不足で腹部肥満の高齢者には抵抗運動と有酸素運動の組み合わせがもっとも適している

(2009年2月10日 Medscape)

今まで、運動不足で腹部肥満の高齢者のインスリン抵抗性と
機能制限を同時に改善するには、抵抗運動と有酸素運動の組み合わせが
運動方針としてもっとも優れているという試験結果が
『Archives of Internal Medicine』1月26日号に発表。

Lance E. Davidson(クイーンズ大学)らは、
「高齢者の慢性疾患と生活機能障害のリスク因子の低減において、
抵抗運動と有酸素運動が不可欠であることを推奨」

「抵抗運動と有酸素運動を組み合わせることで、
疾患や生活機能障害のリスク因子に対する効果が
それぞれの運動手法単独よりも増大するかはよく判っていない」

2002~2006年の期間、運動不足で腹部肥満の高齢者136例を対象、
6カ月間の抵抗運動、有酸素運動、抵抗運動と有酸素運動(組み合わせ運動)、
運動をしない対照の4群に。
主要エンドポイントは、高インスリン正常域血糖クランプ法による
インスリン抵抗性の変化と、4種の検査の変化の平均で見た運動制限の変化。

インスリン抵抗性は、年齢、性別、試験開始時の値で調整すると、
有酸素運動群と組み合わせ運動群は対照群よりも改善したが、
抵抗運動群は改善しなかった。

組み合わせ運動群の平均値は、抵抗運動群よりも改善したが
(毎分骨格筋1 kgあたり9.2 ± 1.3対1.8 ± 1.3 mg/mL/μIU)、
有酸素運動群に比べると有意ではなかった。

機能制限は、すべての処置群が対照群に比べて有意に改善。
組み合わせ運動群の改善の程度は、有酸素運動群よりも有意に大きいが、
抵抗運動群に対しては有意でなかった。
抵抗運動群と有酸素運動群の改善は有意差がなかった。

限界として、腹部肥満のサンプルが白人が多くを占め一般化に問題があること、
すべての運動セッションを指導下で行い、個別化した食事プランの順守を
奨励することで被験者が動機付けられるという理想的な条件で行われたこと。

「これまで、運動不足で腹部肥満の高齢者におけるインスリン抵抗性と
身体機能制限を同時に低減させる運動戦略としては、
抵抗運動と有酸素運動の組み合わせが最適」

「抵抗運動と有酸素運動によって、疾患と生活機能障害の確立した
リスク因子であるインスリン抵抗性と身体機能制限を同時に軽減することを、
高齢者に奨励することが医療提供者には求められる」

Arch Intern Med. 2009;169:122-131.

http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/2/10/91518/

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