2009年2月15日日曜日

水産にかける開発途上国 北里大生と活発に意見交換

(東海新報 2月11日)

独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施中の漁村開発における
ジェンダー主流化セミナーで、大船渡市入りした開発途上国の研修員5人が、
北里大学海洋生命科学部(緒方武比古部長)の学生や教授と意見交換。

本県の沿岸養殖では、「女性の貢献がなくてはならない」という説明を聞き、
大きな関心を示していた。
県の科学・ものづくり振興課が、JICAの同事業を導入して実施し、
大学側から男女学生10人が出席。

研修員は3カ国の男女5人。
西アフリカ・ベナンの農畜水産省専門官のアドピズン・コーヴィ・シプリエンさん(44)と
管理官のデスアジー・コームランさん(28)、
ラオスの農林省指導官のトンクーン・ホングランリアンさん(32)と
ジェンダー担当のペットサモーン・スリボンさん(38)、
東ティモールの農水省指導官のアセルモ・アマラルさん(36)。

セミナーのジェンダー主流化は、政策策定、計画立案、意思決定に
男女の双方の視点、経験などを取り込み有意義な開発を実現すること。

小河久朗教授が、水産業の現状を英語で講義、
日本における水産業は、社会的に価値が高いことや
女性の役割が大きいことを述べ、
「アワビ漁では女性が船を操り、ホタテなどの養殖現場にも入っており、
女性の貢献がなくてはならない。対等なパートナーである」

研修員が、自国の水産の現状を述べ、東ティモールのアマラルさんは、
環境にやさしい持続可能な水産業を目指していることや
女性を巻き込んでフィッシュボールの加工を始めた例を紹介。
開発途上国では、水産はマイナーな産業らしく、
なぜ水産を女子学生も勉強するのか、卒業後の働き場所についての質問も。

学生たちとコミュニケーションを深めながら、
2グループに分かれて活発に意見交換。
ベナンのコーヴィさんは、「話を聞いて楽しかった。我が国の状況を良くしていきたい」
ラオスのペットサモーンさんは、「男女共同参画をどう実現しているのかを見たい。
若い人たちが、将来のことを自分の頭で考えており、とても興味深い話ができた」

同学部四年の池田周平さんは、「水産の指導者が少なくて困っているなどの
現状を知ることができた」、本橋敬太郎さんは、「これから漁業に力を入れるという
東ティモールなど、各国の施策が分かり面白かった。
同時に生きる力の強さを感じた」、
開発途上国のパワーに驚き触発された様子。
学食で一緒に昼食を取りながら、国際交流も深めた。

研修員一行は13日まで滞在し、JAとおの女性部、
釜石のアグリカルチャー&フィッシャーグリーン・ツーリズム、
県水産技術センターなどを視察する予定。

http://www.tohkaishimpo.com/

0 件のコメント: