(日経 10月21日)
社内の昇格試験に向けて英語を勉強したいが、なかなか時間がとれない。
単語を暗記しても年のせいかすぐ忘れてしまう——。
こんな悩みを抱えるビジネスパーソンも多いだろう。
時間が限られるビジネスマンが効率的に、継続してできる英語勉強法は?
英語の“達人”2人に聞いた。
英語の勉強は、「社会人からでも遅くはない」。
グーグル日本法人社長で「村上式シンプル英語勉強法」(ダイヤモンド社)の
著書がある村上憲郎氏はこう語る。
村上氏自身も、英語を本格的に勉強し始めたのは31歳。
「英語は、語学ではなく語力」と説く。
頭ではなく、「体に覚えこませる」との発想。
特に英語の文法をある程度理解している人にお勧めなのが、
毎日1万語を眺める方法。
1万語はビジネスで困らない単語数。
毎日の通勤電車の中や昼休みの細切れの時間を使って、短い時間でもいい。
1万語程度の英語が盛り込まれた単語帳を毎日眺める。
その際、単語帳に書かれた日本語はできるだけみないで、
英語だけを眺めることが大事。
意味がわからないものだけ日本語をみる。
毎日1万語を眺めていると、「いったん忘れてしてまった単語も、思い出せる」
最初は、「英絵辞典」のような絵が付いている辞書を使うのも効果的。
「日常生活に即した単語を絵を見ながら覚えることで、覚えやすくなる」
英語に自信のない人は、まずは中学校の教科書から始めると、
英語に慣れるにはちょうどよい。
その際、単語を覚えるためにペンを走らせる必要はない。
1年分の教科書の本文を毎日10回読んで1週間で終わらせる。
とにかく「英語の構造がわかればよい」。
リスニングは、「最初からレベルの高いスピードの速いものを聴くこと」
「リスニングは、筋力トレーニングと一緒」。
最初からレベルの高いものでトレーニングすることで、
リスニングの筋力がアップする。
できれば毎日一時間必ず聴くこと。
「週に1回は初級レベルのリスニングを聴く」。
実力がついたことが実感でき、さらに勉強しようとする意欲に。
大手メーカーなどでビジネス英語の講師を務める中村澄子氏は、
「自分に何が必要なのかをきちんと把握すること」と強調。
ビジネス英語であっても、会話なのか文章作成なのか、
「TOEIC」などのテストの点数を取ることなのか、目標をはっきりさせる。
半年から1年程度の計画で、1週間単位で細かくやるべきことを決め、
スケジュールを作成する。
多少のゆとりをもたせ、達成できるようにしよう。
社会人になりたてのビジネスマンが気をつけなければならないのは、
大学入試の延長で勉強してしまうこと。
「大学入試で必要な文法は難しいものが多く、実際のビジネスで役に立たない」
旅行用の英会話から初めてしまう人が多いが、これも間違いの勉強法。
ビジネスで使う英語と一般的な会話とでは、覚えるべき単語が違うケースも。
中村氏がビジネス英語の学習で勧めるのは、IR資料を読むこと。
「自動車」という単語は、一般的には「car」だが、
米国の自動車会社のIR資料では「vehicle」で統一。
企業で配属や昇進などの要件として、幅広く使われるTOEIC。
TOEICの具体的な勉強法について、中村氏は「執筆時期の古い問題集や
参考書はなるべく使わないほうがよい」
ビジネス関連の英語が増えてきているように、問題の傾向は年を経るごとに変化。
TOEICのリーディングは全体的に長文化しており、速読力が重要。
長文の英語を読む能力を付けるには、毎日読むことが大事。
毎日触れることで、前後の文脈から意味を類推する力が付くようになる。
長文は3分、4分など時間を区切って読むようにする。
タイマーではかり、自分の読むスピードを毎回意識することで、
読解力の向上につながる。
リスニングの勉強も繰り返し聴くことが大事で、「毎日2時間は確保したい」。
通勤の行きと帰りで1時間ずつ、というように時間を確保。
読み上げる文の縮小コピーも持って、そのコピーをみながら
ヒアリングすることが効果的。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz081021.html
0 件のコメント:
コメントを投稿