(読売 2009年1月27日)
様々な細胞に変化できる新型万能細胞(iPS細胞)の作製効率を、
山中伸弥・京都大教授らによる従来の手法より、
最大で100倍以上高めることに、
バイオテクノロジー企業「タカラバイオ」の研究チームが成功。
日本再生医療学会で発表。
すでに特許を出願、3月にも「iPS細胞作製キット」として発売する予定で、
創薬や再生医療の研究を加速させそうだ。
2006年、4遺伝子からiPS細胞を作ったと発表した山中教授らは07年、
発がん性がある「c-ミック」を外した3遺伝子での作製に成功したが、
効率は大幅に低下。
ヒトの場合、1株のiPS細胞には元の皮膚細胞が2万-10万個必要で、
研究進展のため作製効率の向上が求められていた。
タカラバイオは、自社開発した遺伝子治療の技術を応用。
遺伝子を細胞へ運ぶ役目をするウイルスに、
人の細胞同士をくっつけているたんぱく質の一部を改良した
「レトロネクチン」という特殊なたんぱく質を加えて導入効率を高め、
2万個の皮膚細胞からiPS細胞が10-30株できた。
レトロネクチンは、がんなどの遺伝子治療で、必要な遺伝子をリンパ球に
効率よく導入する試薬としてすでに商品化。
同社は、iPS細胞作製に使う3遺伝子を組み込んだウイルスとセットで
発売する方針、京大が設立した特許管理会社「iPSアカデミアジャパン」と交渉中。
タカラバイオの加藤郁之進社長(理学博士)は、
「iPSを扱える研究者が一気に増え、難病の解明や新薬の開発が
大きく進むだろう」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/1/27/90455/
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