(東海新報 5月14日)
大船渡港と韓国・釜山港を結ぶ外貿コンテナ航路の20年度実績で、
実入り状態の貨物量が前年同期比で約3分の2にとどまった。
燃料費高騰による影響で、週一便ペースだった寄港数がほぼ半減、
中国食品への農薬混入、世界的な経済不況などが追い打ちをかけた。
20年度の実績は、荷物が入った状態で1045TEU
(1TEU=20フィートコンテナ1個)。
前年同期比で560TEU少なく、65・1%。
荷物が入っていない空コンテナを含めた全体の貨物取扱量は
1832TEU、同じく736TEU少なく、71・3%。
昨年4月、20年度の取扱実績目標を3000TEUと公表。
開設初年度だった19年度はほぼ週一便で訪れていたが、
20年度は1カ月に2便ペースと半減。
2月から週一便に戻ったものの、寄港便数は26回、19年度を19回減。
減便の背景には、前半は世界的な原油高による燃料費の高騰、
中国食品への農薬混入事件などによる貿易量の減少。
後半は、「リーマンショック」に端を発した世界同時不況の影響、
円高による輸出減少が響き、年度内を通じて伸び悩んだ。
減少が顕著だったのは、大船渡港の特徴でもある冷凍水産物。
19年度は実入り貨物全体の42・7%、20年度は27・2%にまで落ち込んだ。
サンマやサバなど、大船渡ではまとまった水揚げがあったが、
世界的な経済不況の中で生かすことができなかった。
3月分は、全体の貨物量が423TEUと、年度内の中では突出して多い。
21年度、4月は250TEU超、前年度比で1・5倍超える好調。
市側では、「世界的な情勢では底打ちの感はあるが、
日本全体の各地域に波及してくるのはまだ時間がかかる」
全体量での今年度目標は、「3年目で4700TEU」を意識しながら、
20年度に達成できなかった3000TEUへの到達に重点。
中長期的には、3月に同市と企業立地調定を結んだ阿部長商店に、
外貿コンテナ定期航路を利用する計画があり、
年間1000TEUを超える取扱量を見込むなど、明るい見通し。
コンテナ関連で、市が年間2億円余りの事業費を盛り込み、
議会などの場で厳しい批判が出、今年度の貨物増加が強く求められる。
甘竹勝郎市長は、「経済情勢は回復基調とは言えないが、
3、4月の実績を見ると底は打ったかな、という感。
3年目は勝負の年。
国の補正予算などにも期待をし、経済がさらに上向くことを願っている」
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