(日経 5月15日)
コニカミノルタホールディングスの松崎正年社長は、
今後の経営方針などを説明。
構造改革で300億円以上の固定費を削減、
主力事業の収益回復につなげる一方、成長確保のため
環境エネルギー分野で新事業を検討。
主なやり取りは以下の通り。
——景気悪化で業績が急激に悪化した。
「一時的な景気後退ではなく、世界が大きく変わろうとしているとの認識。
当社は、市場においてチャレンジャー。
仕事のやり方やビジネスモデルを進化させれば、上位にあがれるチャンス。
まずは構造改革を優先する」
——2009年度に見込む改革の効果は?
「08年度中に、約100億円を引き当てた構造改革の効果で、
製造費や販売費など300億円以上の固定費削減を見込む。
在庫回転日数は40日に短縮、300億円以上のフリーキャッシュフロー
(純現金収支)を創出することが目標」
——設備投資や研究開発費は?
「設備投資は、減価償却の範囲内に抑えメリハリをつける。
右肩上がりだった研究開発費も圧縮する。
一律に減らすのではなく、研究テーマの取捨選択を厳しくする。
技術畑の社長として、技術の目利きには自信がある」
——不採算事業はどう見直すのか?
「プリンターでは、コンパクトで低価格なA4カラー複合機に集中、
レンズユニット事業でも標準モジュールに注力。
需要が低迷していた印刷用フィルムの生産は終了」
——主力の事務機事業をどう立て直す?
「オフィス向けの複合機は、08年度が新製品の端境期。
09年度は、コスト削減や省エネルギー、セキュリティーの向上につながる
新製品を出して、欧州で首位グループを堅持。
成長領域のデジタル印刷では、当社が得意とする低速機に加え、
中・高速機も本格展開する。
自ら印刷サービス業を展開することも視野に」
——光学部品を手がけるオプト事業は成長のけん引役だったが、
最終製品の需要減により急ブレーキがかかった。
「液晶テレビ向けの偏光板保護フィルム(TACフィルム)では、
新機能を盛り込んだ次世代製品を投入する。
建設を凍結している新工場については、09年度上期の早いうちに判断。
ブルーレイ・ディスク(BD)録再機などに使う光ピックアップレンズは、
海外生産を強化してコスト削減を進める」
——次の成長に向けた戦略は?
「『環境・エネルギー』、『健康・安全安心』の両分野で新規事業を育成。
米ゼネラル・エレクトリック(GE)と提携し、有機エレクトロ・ルミネッセンス
(EL)照明を、10年度に事業化する計画を進め、
(現行方式より大量生産に向く)『有機薄膜太陽電池』の事業化も検討。
優れた光測定技術も、事業に生かし切れておらず、
医療診断や産業分野で可能性を探る」
——中期目標は?
「景気の先行きが見通せないため、3カ年の中期計画で数値目標を
公表するのを取りやめた。
09年度は、構造改革で業績の底割れを食い止め、
必ず目標を達成しないといけない。
10年度には増収増益に転じ、08年度以上の水準に戻す」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090514_3.html
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