(読売 5月14日)
学習する機会を増やそうと、塾や家庭教師派遣会社との連携を進めている。
「『サタスタ』の先生は、大学生のお兄さんです」
大阪府門真市立北巣本小学校の図書室に集まった児童11人に、
市教委の職員が若い大学生2人を紹介。
「サタスタ」とは、昨年の全国学力テストで府平均を下回った門真市が、
市独自事業として、土曜学習「サタデースタディー」の略。
つまずきやすい小学4、5年と中学2年に、
毎週土曜日の2時間、無料で学習指導を行う。
大学生2人は、家庭教師を派遣する「トライグループ」(大阪)に
登録する大阪大学の1年生。
市教委生涯学習課の高橋勝保主査(60)によると、
指導役となる教員OBなどの人材を地域内に求めても
なかなか見つからないため、今年度は協力を申し出てくれた「トライ」から、
小中22校のほとんどに講師の派遣を受ける。
算数のプリント問題を配った大学生2人は、児童が質問すると隣に行き、
「1リットルと1000ミリ・リットルは同じ量やねん」などと優しく教えた。
橋下徹知事の方針で、府教委は放課後学習に協力してくれる
地元や大手の学習塾23社を、市町村教委に紹介。
これをきっかけに、様々な形で塾との連携が始まった。
池田市立池田中学校では、希望者が英語検定対策を学ぶ
「ETC(英検トライコース)」を始めた。
中学卒業程度の英語力が必要な3級取得を、6月の試験で目指す。
海外生活の経験を持つ家庭教師が授業を担当し、
無料もあって、想定の倍以上の96人が参加を希望。
横山泰介校長(59)は、「学力の高い生徒のニーズに応えられる
取り組みもしたかった。ノウハウを学び、来年は独自で続けられたら」
府教委によると、昨年度は5市の計13小中で塾講師らの派遣事業が
試行として行われ、塾は無償で協力。
今年度は、講師1人1回1500円といった報酬設定が多いが、
それでも通常よりかなり安い。
塾側はなぜ協力するのか?
門真など4市に多くの講師を派遣するトライグループの
森山真有専務(36)は「社会貢献、口コミの宣伝効果、
担当者の研修効果が期待できる」
「点を取るだけの勉強になるのでは」という懸念も一部にはある。
「教師がいるのに」といった反発も、教員の間で根強い。
杉並区立和田中学校の校長時代、塾との連携で注目された
藤原和博・府教委特別顧問(53)は、「大学生などの地域ボランティア、
地元の教育資源である教員OB、地元の塾講師というプロが加われば、
地域で子どもを伸ばせる」
「いろんな試行錯誤をやって、『大阪流』になれば」と期待。
◆塾との連携
昨年度は和泉、豊中など5市の小中13校に、トライ、サピックス、
第一ゼミナールが無償で連携。
地元塾からの派遣はなかった。
当初、放課後学習への派遣を想定していたが、教委や地域のボランティアが
直接契約し、放課後学習以外に活用するケースが増えている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090514-OYT8T00293.htm
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