2009年10月11日日曜日

ノーベル賞:化学賞、3氏に たんぱく質合成、リボソーム構造解明

(毎日 10月8日)

09年ノーベル化学賞を、英MRC分子生物学研究所の
ベンカトラマン・ラマクリシュナン博士(57)、
米エール大のトーマス・スタイツ教授(69)、
イスラエルのワイツマン科学研究所のアダ・ヨナット博士(70)
3氏に授与する。

授賞理由は、「リボソームの構造と機能の解明
賞金1000万スウェーデン・クローナ(約1億3200万円)が
3氏に等分で贈られる。

ヨナット博士は70年代から、X線を使ったリボソームの
構造解明に取り組んだ。
当時、解析に向いた結晶を作ることは非常に困難と考えられ、
同博士が解決の糸口を見いだし、研究者の競争が活発化。

3氏は、ほぼ同時に細菌のリボソームの構造を
原子レベルで特定し、2000年に発表。
細菌のリボソームに抗生物質が結合し、
その働きを阻害する様子を解明。

抗生物質は繰り返し使うと、細菌が抵抗力を持つので、
新型の抗生物質をより簡単に設計することに貢献。

リボソームでは、酸素を運ぶ血中のヘモグロビンや、
血糖値を調節するインスリンなど、生命活動の維持に
不可欠な物質が合成。

渡辺公綱・東京大名誉教授(分子生物学)は、
「巨大な構造を、X線で解き明かした意味は大きい。
遺伝子からたんぱく質が作られる過程の、
最後の部分の謎が解明された」
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◇リボソーム

あらゆる生物の細胞内にある小器官。
大きさは約25ナノメートル(ナノは10億分の1)で、
DNAにある遺伝情報を「mRNA」と呼ばれる分子がコピーし、
それを基にリボソームの中でさまざまなたんぱく質が合成。
「たんぱく質の合成工場」とも呼ばれる。

http://mainichi.jp/select/science/news/20091008ddm003040146000c.html

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