2009年10月16日金曜日

水ビジネス:水処理、中国と協力合意へ 国際市場、日本勢参入に弾み

(毎日 10月10日)

「日中省エネルギー・環境総合フォーラム」で、
水質浄化などに関する協力で、両国が合意する見通し。
中国は、急激な工業化で水需要が増加する一方、
湖水の汚染が深刻な社会問題。
高い水処理技術を持つ日本は、海外での水ビジネスの展開を
将来の成長分野と位置づけ、両者の利害が一致。

同フォーラムは、経済産業省や財界幹部が訪中し、
海水の淡水化や工場・生活排水の処理などについて、
中国政府や地元企業と具体的な協力方法を討議。

素材メーカーなど、水ビジネスにかかわる日本企業も同行し、
日本の高度な水処理技術を売り込む計画。
政府は、中東・アフリカ地域の22カ国・機関で構成する
「アラブ連盟」との関係強化のため、
「日アラブ経済フォーラム」でも水問題を取り上げる方針、
新興国に対する取り組みを本格化。

日本は、汚れた水をろ過するフィルターなど、
個別技術では世界トップレベルにあるが、
プラントの設計、建設、運用といった一貫したサービスを
提供するノウハウに乏しく、海外の水市場に参入できず。
人口減少で、国内の水需要が頭打ちになる中、
政府は水ビジネスの国際展開に向けた体制を
早急に整える必要があると判断。
民主党政権も、「政権交代にかかわらず、
(水ビジネスは)前に動かしていく」(前原誠司国土交通相)
として引き続き、支援に力を入れる方針。

経産省は、企業の水ビジネスを支える専門部署を省内に新設。
上水道の運用ノウハウを持つ地方自治体もメンバーに加えた
「水ビジネス国際展開研究会」の初会合を開き、
海外市場の調査や有力事業の絞り込みに入る。

◇25年には100兆円規模 米、独など相次ぎ参入

水質浄化などの世界の水ビジネス市場は、現在約60兆円規模、
途上国の経済発展と都市化に伴う水需要の急増で、
2025年には100兆円超に拡大。
砂漠化が進むアジア、アフリカ地域では水不足が深刻化、
貧困国支援の側面からも水ビジネスに対する関心が高い。

海外市場は、スエズ(仏)、ヴェオリア(同)、
テムズ・ウオーター(豪)など「水メジャー」と呼ばれる
少数の欧州系企業がシェアを独占、
水ビジネスの成長力に目をつけた米国やドイツ、
インドネシアなどの企業が相次ぎ参入。
政府の全面的な支援を受けた日本勢も加わり、
国際競争が激化。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/10/10/20091010ddm008020095000c.html

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