(毎日 10月6日)
IOC総会で、東京五輪の招致に失敗したことは、
スポーツ界にとって、トップ選手強化の「大義」が失われた。
JOCは6月、「強化費を将来性のある選手に特化して配分する」
方針を打ち出した。
上村春樹・選手強化本部長は、
「16年五輪の国別メダル数で3位以内に入るには、
12年ロンドン五輪で5位になっておく必要がある」
ロンドンでは14~16個、幻となった東京で25~30個の金メダルが
必要と具体的な目標も掲げた。
JOCの強化構想は、16年東京五輪を前提に動き出していた。
08年北京五輪で、日本が獲得した金メダルは9個、
国別ランキング8位。
北京五輪までの1年間に各国が投じた選手強化費は、
日本27億円、米国165億円、韓国106億円
(国立スポーツ科学センター、JOC調べ)。
当然、16年東京五輪に向けた強化費増額への期待があった。
スポーツ界は、曲がり角を迎えている。
今夏、日本体育協会やJOCが希望するスポーツ庁の設置などを
盛り込んだ自民、公明両党のスポーツ基本法案が
衆院解散に伴い廃案に。
与党になった民主党のスポーツ振興策は、
「底辺の積み上げでトップ強化を実現する」と、
自民の基本スタンスとは異なる。
JOCの福田富昭副会長は、
「これまでは火山の爆発で溶岩を流れさせ、
底辺を広げようという考え方だった。
この方が『ボトムアップ』の方法より、コストがかからない」と
持論を展開、新政権のスポーツ政策に注目。
JOC内には、政権交代が招致活動に微妙な影響を与えたのでは、
という見方も。
皇太子ご夫妻や鳩山由紀夫首相に、
IOC総会出席を要請する事務折衝を巡って、
瞬時に動けたかという反省。
あるJOC幹部は、「スタート時点で出遅れがあったことは否めない」
政権与党とのパイプ作りという大きな課題を抱えているなかでの
五輪招致失敗は、JOCの強化策にも暗い影を落とす可能性。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/archive/news/2009/10/06/20091006ddm035050135000c.html
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