(毎日 10月5日)
ハードディスク駆動装置(HDD)用磁気ヘッドや
電圧変換機など、数多くの電子部品を手がけるTDK。
環境に対する15年度までの中長期的な行動計画をまとめた
「TDK環境活動2015」に従い、製品がもたらす環境負荷を
最小化する環境配慮型製品の創出に取り組んでいる。
同社の環境戦略を、上釜健宏社長に聞いた。
--電子部品メーカーとして環境負荷低減に
どのように取り組んでいるか?
TDKには、部材の調達から製品の製造、流通、使用、廃棄、
リサイクルまで含めた「製品ライフサイクル」の各段階ごとに、
「消費エネルギーの削減」、「有害化学物質の排除」、
「資源の有効利用」の観点で評価・採点するための社内基準を設け、
98年から自主的な製品アセスメントを行っている。
--具体的な成果は?
現状では、すべての販売製品がこの基準を満たす
環境配慮型製品になっていて、08年度から基準をさらに厳格化。
基準をクリアした製品を、優良環境製品「ECO LOVE製品」として
認定し、マークを付けて社内外にPR。
「ECO LOVE製品」は、今年4月時点で売上高の15%を
占め、11年度までに倍の30%以上に引き上げる。
--中期経営方針で、「地球環境と人のくらしを豊かにする
特長ある電子材料・部品の提供」を柱に。
具体的には、ハイブリッド車などエコカー向けに
需要が伸びているコンバーター(電圧変換機)。
変圧時、電力が熱となって逃げるのを防ぐ高効率構造で、
同じ性能の他社製品より小型・軽量。
TDKのコンバーターを搭載した車は、重量が軽くなるため、
燃費が向上し、CO2排出量の削減に。
風力発電の風車などにも使われているモーター用の磁石や、
携帯電話などモバイル機器向けのバッテリーも環境性能が高く、
TDKが強みを発揮できる製品。
--今後の課題は?
電子部品メーカーとして、製品そのものの環境性能を
さらに高め、TDKの製品を使うことによって、
納入先の顧客企業のCO2削減にも貢献できる製品を開発し、
PRしていくことが重要。
自社製品の特徴として差別化につながり、収益にもつながる。
政府が掲げる「20年までに温室効果ガス排出量を
90年比25%削減」との目標が議論を呼んでいるが、
善しあしではなく、まずはできるところから
積極的に環境負荷低減に取り組んでいきたい。
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◇かみがま・たけひろ
長崎大卒、81年TDK入社。
記録デバイス事業本部技術戦略部長、
ヘッドビジネスグループゼネラルマネジャーなどを経て、
06年6月から現職。鹿児島県出身。51歳。
http://mainichi.jp/select/science/news/20091005ddm008020031000c.html
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