2010年2月18日木曜日

健康食品との付き合い方:/4止 効果や安全性、根拠を確認

(毎日 2月12日)

<美をいつまでも保ちたい>
<年をとっても、元気に歩きたい>
<カルシウム補給>
こんな誘い文句が、健康をうたった食品の宣伝によく使われる。
特定の食品に、<病気に効く>と表示すると、
医薬品扱いとなるため薬事法違反に問われるが、
<美をいつまでも保ちたい>といった願望の表現であれば、
違反にはならない。

こういう表現に出合ったときの注意について、
高橋久仁子・群馬大学教育学部教授は、
「書いてあること以上に、勝手に自分に都合よく
行間を読んではいけない」

<年をとっても、元気に歩きたい>という表現を、
「この健康食品を取れば、年をとっても元気に歩くことができる」と
解釈してはいけない。
<カルシウム補給>という表現も、「カルシウムが補給できる」
とまでは書いていない。
「カルシウムが体内に補給されて、骨が丈夫になる」と
読んではいけない。

そういう表現とともによく出るのが、若い女性や元気な高齢者などの
「私はこれを取っていて、元気です」といった写真付きの体験話。
高橋さんは、「使って効果がなかった人は出てこない」、
表現や体験話の意味を冷静に考えることが必要。

特定の健康食品の有効性や安全性を、
自分の力で見極めるのは容易ではない。
健康食品を利用したい、でも何を信じていいか分からない、
判断に迷ったとき、多くの専門家たちが勧めているのが、
国立健康・栄養研究所が運営するホームページ
「『健康食品』の安全性・有効性情報」

国内外の健康食品による被害事例のほか、
論文など科学的根拠に基づいて、専門家が審査した情報が掲載。
不確かなものがあふれる健康食品情報の中では信頼性が高く、
情報も時々に更新、それぞれの商品について
科学的な安全性や有効性がどこまで実証されているかを確認。

情報は大きく分けて、
(1)注意すべき健康食品の特徴などをまとめた「基礎知識」、
(2)国内外の摘発事例や健康被害事例を掲載した「被害関連情報」、
(3)「α-リポ酸」、「酸素水」などタイムリーな情報をまとめた
「話題の食品・成分」、
(4)健康食品に含まれる成分の安全性と有効性の科学的根拠を
集めた「素材情報データベース」--
の四つで構成。
トップページから一括して検索できるので、
成分名や製品名を入力して情報を引き出す。

「健康茶」、「減肥茶」などと販売されているお茶に
含まれることが多い成分「センナ」で検索、
厚生労働省などがセンナを含む製品「飲まなく茶」を使用しないよう
注意を呼びかけているという被害関連情報や、
食品に利用が認められている茎について、
「ヒトでの安全性・有効性の情報は見あたらない」といった
素材情報などが一覧表示。

同研究所の梅垣敬三情報センター長は、
「健康食品だけでは、健康になれない。
基本は、毎日の食生活のバランス」。

その上で、健康食品を利用する場合、
「まずは、被害関連情報がないかを確認すること。
製品には、主成分以外にいろいろな成分が入っていて、
副成分が被害を及ぼす場合も。
被害情報がない製品であれば、含有成分の安全性や有効性が
どこまで科学的に実証されているかを見て、
摂取するかどうかの判断材料の一つにしてほしい」

◇信頼できる情報の見分け方

健康食品の有効性をどこまで信じてよいか、判断力を養いたい。
国立健康・栄養研究所のサイト
「『健康食品』の安全性・有効性情報」の、
「科学的根拠のある情報とは?」でその方法を紹介。

サイトは、情報の信頼度を5段階に分け、1から5に近づくほど
科学的な根拠がしっかりした情報。
体験談や専門家の一意見だけでは、信頼度は低い。
実験結果でも、試験管内の細胞や動物実験だけでは低いが、
科学的な論文として名のある専門雑誌に出ていると、高くなる。

人を対象にした試験では、ある健康食品を取った人(投与群)と
取らない人(対照群)を、長期間追跡して効果の差を比べた
臨床試験であれば、信頼度はかなり高い。
最も良いのは、こういう試験が複数あるもの。

http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2010/02/20100212ddm013100094000c.html

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