(日経 2月9日)
毒性の強いH5N1型のインフルエンザワクチンの開発を
進めているUMNファーマ(秋田市)。
現在は、約6カ月かかるワクチンの生産期間を
約2カ月に短縮できる技術がIHIに評価、
今春に共同出資会社を設立。
インフルワクチンの開発を急ぐUMNファーマの金指秀一社長。
——IHIと共同出資会社を設立した。
「IHIとは、以前からワクチン製造に関し、共同で研究。
今後の事業化に向け、より深い関係を構築するため4月、
秋田市に共同出資の新会社を設立。
20~30億円程度を投じて工場を建設、
2012年には年250~500万回分のワクチンの原薬を
製造できるようにしたい」
——なぜ今、ワクチンの研究開発に取り組むのか?
「日本では、インフルワクチンは現在、鶏卵を使って
ウイルスを増殖させる製造技術が主流。
鶏卵を使った製造法では、製品化まで6カ月近くかかる」
「昨年、感染が拡大したH1N1型の新型インフルエンザから
得た教訓は、流行し始めてから対策をとっても遅い。
流行が落ち着いてから、インフルエンザワクチンが
輸入できても遅い。
欲しいときに、あるようにすべきだ」
「豚由来のH1N1型の新型インフルに比べ、
鳥由来のH5N1は強毒性。
次に流行するかもしれないH5N1型に備え、
早期にワクチンを供給できる体制を整備することが求められる」
——開発の進ちょくはどうか?
「主に製剤の用量を決めるために実施した
第2相臨床試験(治験)が終わった。
すでに実施した治験のデータと併せ、安全性や有効性を確認」
「今回、対象は90人だったが、次は安全性を確認するため、
もっと大規模な臨床試験を行う必要がある。
12年の発売を目指している」
——新型インフルエンザはいつ流行するか分からない。
収益は安定しないのでは?
「インフルエンザワクチン製造に使う技術は、
他の医薬品製造にも転用できる。
同技術の導入元である米バイオ企業のプロテイン・サイエンシィズは、
他の感染症やがん、生活習慣病などのワクチンの研究を進めている。
インフルエンザワクチンが軌道に乗れば、
当社も他のワクチンについて、導入を検討していきたい」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100208.html
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