2010年4月22日木曜日

繭にアンチエイジ成分 鈴木・岩手大教授らが確認

(岩手日報 4月16日)

岩手大農学部応用昆虫学研究室の研究グループと、
絹タンパク製品を開発製造している「ながすな繭」
(京都府、堀井和輝社長)は、カイコの繭を形成する
タンパク質の一つフィブロインから製造した
食用シルクパウダーに、記憶力回復や毛質改善などの
アンチエイジング(抗加齢化)効果があることをマウス実験で確認。
研究グループによると、動物実験で効果が確認されるのは国内初。

岩手大の研究グループは、鈴木幸一教授(63)、
山本圭一郎学術研究員(30)ら。
山本研究員らは、マウスに高濃度の糖を8週間投与し老化後、
1~2%のシルクパウダー水溶液を5週間飲ませ、水泳訓練を実施。
白濁した水を張った直径1mの円形プールで、
周辺の記憶を頼りに足場となる台へ到達する時間を調べた。

訓練3日目、シルクパウダーを摂取したグループは、
平均20秒で台に到着、糖を与えない正常なマウスや
老化マウスは同30秒要した。

台を取り除くと、正常なマウスは1回の水泳で平均4・5回、
台のあった場所を横切ったのに対し、
老化マウスは同2・2回。
シルクパウダーを飲み続けたマウスは同4・7回、
正常なマウス並みの記憶力の回復がうかがえた。
体毛も摩擦が少なく、キューティクルが正常なマウスと同程度に改善。

研究成果は、長野県上田市で開かれた日本蚕糸学会で発表。
山本研究員は、「実際に老化させたマウスで、
効果が確認できた意義は大きい。
今後は、メカニズムの解明が課題」

岩手大とながすな繭は、毛質や記憶力を改善する食品として
特許を出願。
同社は、近くシルクパウダーを錠剤にして機能性食品として
商品化を予定。
120錠入り6900円(税込み)で販売。

堀井社長は、「フィブロインの機能性とともに、
アンチエイジング効果が実証された。
シルクが、人間の健康に役立つことで、
昆虫産業の発展につなげたい

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100416_12

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